(政界地獄耳) ジャパンライフの悲劇に鈍感すぎる - 日刊スポーツ(2019年12月20日)

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★「桜を見る会」から派生したジャパンライフ問題。なぜ同社会長が「桜を見る会」に招待されていたのか、誰が招待リストに加えたのかが今後の焦点だが、30年にわたり被害者がいるこのマルチまがいの会社の被害弁護団が18日、声明を発表した。首相主催の「桜を見る会」の招待状や、官僚OBらが同社顧問になっていたことが「多くの被害者が信頼できる会社と誤解した」と指摘。また政治家への政治献金にも触れ「献金の原資は被害者の生活資金。議員は速やかに破産管財人に返還すべきだ」とした。

弁護団の試算によると、負債総額は2405億円で、契約者は7000人に上るものの、破産手続き中の同社が被害者に返金できる資金はないと言われている。そこで弁護団は同社の元顧問らに顧問料の返還を求めるよう管財人に要請し交渉中という。元内閣府官房長・永谷安賢、元特許庁長官・中嶋誠、元科学技術庁科学技術政策研究所長・元日本オリンピック委員会JOC)理事・佐藤征夫、経済企画庁長官秘書官・松尾篤元、元朝日新聞政治部長・橘優ら被害者を信用させるに足る地位にいた顧問らの中の5人へ返還請求をしているという。

★ほかにも消費者庁の課長補佐や県警本部の幹部らが転職したり天下っている実態が、ちゅうちょする被害者の背中を押し、権力側を信用の担保にして営業を続けて来た。また政界に多額の政治献金が流れていたのもその一環で、いずれも被害者の原資が政界に還流した構造だ。ところが元顧問や献金を受けた政治家は事の重大さに気付かずに同社に協力していたとうそぶくが、どんな悲劇を生んだのか、彼らは鈍感すぎる対応をしている。また18日、当事者意識ゼロの官房長官菅義偉は一般論だとして「桜を見る会が企業や個人の違法、不当な活動に利用されることは決して容認できない旨、国会で首相も答弁している」とよくわからない説明をした。(K)※敬称略