<金口木舌>次の舞台で台風の目はどこに向かうか - 琉球新報(2019年7月25日)

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ベビーカーを押す子ども連れの女性がいた。年金生活者とおぼしき老夫婦の姿もあった。若い人も候補者の言葉にいちいちうなずいていた。明らかに組織動員とは違う人たちは、皆一様に興奮していた

▼過去の新党ブームのように、いつか来た道ではないのか。参院選投票日前日の20日の東京・新宿駅西口。政治団体「れいわ新選組」の最後の街頭演説は、路上にあふれた人の熱気で包まれていた
比例代表で「れいわ」は4・6%を獲得した。共同通信の投開票日の出口調査によると、無党派層では一部政党を上回り9・9%がれいわを選んだ。20~40代で8~9%台の支持があり、若年層の支持が目立った
▼「消費税廃止」「最低賃金1500円」などを公約に掲げ、大衆扇動の「ポピュリズム」ではないかとの指摘も出た。特定枠を活用して自ら背水の陣を敷いた代表の山本太郎さんの戦略も注目されたが、マスコミ批判も含め既存の体制への不信感の裏返しでもある
▼東京選挙区から立候補した県出身の野原善正さんは、沖縄の基地問題を都民も自分事として考えるよう訴えた。「なかなか辺野古は響かなかった」と話すが、21万余の票は決して少なくはない
▼山本代表は政権奪取に向け次期衆院選に100人規模の候補擁立をにらむ。野原さんも出馬の意向だ。沖縄差別を問うことをブームで終わらせたくない。