不適切統計、与野党が批判 通常国会28日召集 - 日本経済新聞(2019年1月27日)

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO40535940X20C19A1000000/
http://archive.today/2019.01.27-022440/https://www.nikkei.com/article/DGXMZO4053594027012019000000/

第198通常国会が28日、召集される。毎月勤労統計の不適切調査問題に与野党双方から批判の声が強まっており、国会審議にも影響を与えることは確実だ。27日午前のNHK番組で各党の幹事長らが論戦し、立憲民主党福山哲郎幹事長は根本匠厚生労働相の罷免を求めた。特別監察委員会による調査の一部を厚生労働省の職員が担っていたことなどを挙げ「厚労相の信頼性は著しく欠いている」とした。

自民党萩生田光一幹事長代行も「言語道断、あってはならないことだ」と厳しく批判した。「政府に猛省を促すと同時に、与党としてもチェックができなかったことは大いに反省して仕組みを見直していきたい」と述べ、野党に協力を呼びかけた。公明党の斉藤鉄夫幹事長は「与党も責任がある。しっかりと追及し、根本的な対策を打つ最大限の努力をする」と語った。

毎月勤労統計で厚労省は全数調べることになっている従業員500人以上の事業所に関し、2004年から東京都で約3分の1を抽出して調査していた。野党は昨年1月以降、厚労省が事実を公表せずに全数調査に近づける加工を始めたことを問題の焦点として追及する構えだ。

共産党小池晃書記局長は「明らかに組織的にやってきた。この問題の解明は予算審議の大前提だ」と強調。国民民主党平野博文幹事長は「与野党の問題ではない。国会が全力を挙げて解明と再発防止、なぜこういう事態が起こったのかしっかりと追及しなければいけない」と話した。日本維新の会馬場伸幸幹事長は「厚労省が肥大化していることにも原因がある」と行財政改革の必要性を指摘した。

通常国会の会期は6月26日までの150日間。政府・与党はまず防災・減災対策のインフラ整備費などを含む18年度第2次補正予算案を早期に成立させ、2月中旬にも19年度予算案の審議に入る考えだ。安倍晋三首相の施政方針演説など政府4演説は召集日の1月28日に、各党の代表質問は衆院で30、31日に、参院で31日、2月1日に実施する。

政府は4月の統一地方選や夏の参院選をにらみ、確実な成立を優先して提出法案を絞り込んだ。政府提出法案は58本、承認を求める条約は10本提出する。10月の消費税増税を前提とした幼児教育の無償化に関する法案や、外国人労働者の受け入れ拡大に伴い健康保険の被扶養者を原則として国内居住に限る健康保険法などの改正案が論戦の焦点となりそうだ。