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【宜野湾】米軍普天間飛行場を抱える宜野湾市では、市民ら約30人が市役所前に集い、松川正則市長に対し県民投票の事務実施を求めた。市民らはリレートークで県民投票に対する思いを表明。「県民投票の実施をお願いします!」などと書いた看板を手に市役所前の国道330号を通る車に手を振り、県民投票の実施を強くアピールした。
リレートークでマイクを握った国吉真栄さん(55)=市大謝名=は「辺野古移設に賛成してる人も反対してる人もいる。(県民投票不参加は)その人たちを羽交い締めにして、口をふさぐ行為だ。投票の権利を奪わないでほしい」と訴えた。
県民投票の実施を求める請求代表者の屋良朝敬さん(69)=市大山=は「県民投票を放棄するとは情けない。なぜ堂々と実施しないのか。県民投票を実現し、県民の声を民意として埋め立て反対を要求したい」と主張した。
市民からは「反対する理由が普天間の固定化なら、固定化に関する住民投票もやろう」「投票事務を拒否すれば、今後国内で住民投票があった場合の悪い事例をつくってしまう」などの声が上がった。リレートーク後、市民らは通行車に手を振り「県民投票を実施しましょう」などと訴えた。
「民主主義揺るがす」 宮古島 訴訟も視野に活動
【宮古島】宮古島市では、下地敏彦市長が県民投票を実施しない意向を示していることを受け、市役所平良庁舎前で7日、有志でつくる「県民投票実現!みゃーくの会」(奥平一夫、亀濱玲子共同代表)のメンバーを中心にしたスタンディング抗議行動が行われた。
市内各地から市民ら90人が集まり「投票権を奪うな」「県民投票を実現せよ」などと書かれたプラカードを掲げ、投票実現に向けて声を上げた。
奥平代表は「このまま実施されなければ、民主主義の根幹を揺るがす事態だ。訴訟やリコールも含めた動きをこれから展開していく」と述べ、原告団への加入を市民に呼び掛けた。
市長の対応に疑問を持ち参加した50代女性=市平良=は「宮古島市民も沖縄県民。ちゃんと県民として投票をしたい」と話した。
市民ら実現向け要請 沖縄市 市長リコールも検討
【沖縄】沖縄市役所前には市民有志約60人(主催者発表)が集まり、市役所を訪れた人に「県民投票を一緒に成功させよう」「市民の権利を奪わないよう、理解をお願いします」と呼び掛け、チラシを配布した。集会後には、桑江朝千夫市長の県民投票に関する会見があった。会見内容をいち早く知ろうと、市民らは会場の外で待機。スタンディング抗議行動に参加した。
「辺野古埋め立て・新基地建設反対の民意を示す県民投票連絡会沖縄市支部」メンバーらは、不参加の一報を受け住民訴訟や市長のリコールも含め、今後の対応を検討していくことを明らかにした。
桑江市長の会見を前に集まった市民は、仲本兼章総務部長を訪ね、要請文を手交した。普久原佳子さん(71)=市嘉間良=は「辺野古の埋め立てを問う県民投票は、沖縄の命運を懸ける大事な問題だ。みんなで沖縄の問題について考える機会を与えてほしい」と訴えた。仲本部長は「市長には、私の方から皆さんの意見、文書を伝える」と文書を受け取った。
「投票権を奪わないで」と書かれたプラカードを持ち、役所前に立った比嘉ヨシさん(75)=市南桃原=は「投票権は市民の当然の権利で、それが行使できないことはありえない。市長は市民の声に耳を傾けてほしい」と投票の実施を切望した。
県民投票連絡会の市支部は、県民投票不参加を受け8日午後6時半から中頭教育会館で「市民みんなで話し合う会」を予定しており、今後の対応について市民と協議する方針だ。
石垣・うるま・糸満 市民ら呼び掛け 「声上げるのが大事
【石垣・うるま・糸満】「市民の自己決定権を奪うな!」―。市議会が予算案を2度否決した石垣市と、市議会での予算案の再議を8日に控えたうるま市と糸満市でも市役所前に市民らが集まり、道行く人に県民投票実施に向けて協力を呼び掛けた。各市長に県民投票の実施と、事務処理を拒否する際には住民説明会の開催を求める要請書もそれぞれ市に提出した。
石垣市役所前には40人余りの市民が集まった。観光業に従事する50代女性は「声を上げないと『イエス』になり、上に勝手に決められてしまうので参加した。県民投票は市民の権利。一市長、一議会で決めないでほしい」と話した。
うるま市では市民ら約20人が市役所前に立った。久高政治さん(70)は「辺野古基地建設に賛成、反対いずれの意見でも表現することが大事だ。その権利をうるま市民から奪わないでほしい」と語った。
糸満市役所前の潮崎交差点には市民ら50人余りが集まった。井出佳代子さん(58)は「若者たちが自分たちの未来を考えたいという思いを、大人は受け止める責任がある。市議会で予算案が可決されることを心から願う」と強調した。