(日中平和条約40年)]原点に戻り融和の道を2018年8月21日

http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/301693
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1978年8月に日中平和友好条約が締結されてから40年がたった。
今年10月には安倍晋三首相が訪中、来年6月には習近平国家主席の初来日が予定されるなど関係改善の動きが進んでいる。「対話路線」の方向を後戻りさせるようなことがあってはならない。
長く冷え込んでいた関係の修復は、安倍首相が習主席の現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」に協力姿勢を示したことがきっかけだ。
安倍首相は今年5月、初来日した李克強首相の歓迎レセプションで「競争から協調へ、日中関係を大きく発展させる」と強調。対中政策を「けん制」から「融和」へ転換すると宣言した。
中国は40年前に「改革・開放路線」を進め、2010年には国内総生産(GDP)で日本を抜き、米国に次いで世界第2位に躍り出た。第3位の日本とは経済面での相互依存度が高まるばかりである。
12年9月に日本政府が尖閣諸島を国有化して以降、悪化していた政治面でも改善の兆しが出てきた。当時、中国は猛反発、その後、反日デモが相次ぎ、両国の関係は「(1972年の)国交正常化以降で最悪」とまでいわれるようになった。
今回安倍首相は条約に署名した日に合わせ、李首相と祝電を交換した。安倍首相は「日中関係が正常な軌道に戻ったことを大変うれしく思う」と祝電を打った。これに対し、李首相も「長期的で健全かつ安定した発展を推進する所存だ」と応じた。

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今年6月から、東シナ海自衛隊と中国軍が偶発的に衝突する事態を避けるため、防衛当局間の相互通報体制である「海空連絡メカニズム」の運用を開始した。
長年棚上げにされていただけに緊張緩和につながる動きを歓迎したい。ただ、中国海警局の船は対象外とされているため、尖閣周辺の日本領海に繰り返し侵入し、緊張は続いている。軍事衝突を避けるのが大前提で、運用する中で同メカニズムの実効性をさらに高めていく必要がある。
強引な海洋進出など中国の覇権主義的な振る舞いに対し国際社会が懸念している。
中共同開発で合意した東シナ海のガス田を巡っては10年の中国漁船衝突事件で交渉は中断したが、中国は一方的に開発を進めている。共同開発の交渉も再開しなければならない。
歴史認識問題では13年に靖国神社を参拝した安倍首相に対する不信感が根強い。中国が「歴史カード」を手放さないのはこのためだ。

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中国は歴史的にも密接な隣国である。信頼関係を構築するには首脳同士の頻繁な往来が不可欠だ。仮に意見の相違があったとしても率直に話し合うことこそが信頼醸成のために重要である。
40年前の平和友好条約では「恒久的な平和友好関係を発展させる」「すべての紛争を平和的手段により解決し、武力や武力による威嚇に訴えない」「アジア・太平洋地域、他地域においても覇権を求めない」−ことを確認し合った。原点に立ち返るべきである。