大阪府教委 校則をHPで公開へ 頭髪色規定なし10校 - 毎日新聞(2018年6月13日)

https://mainichi.jp/articles/20180613/k00/00e/040/214000c
http://archive.today/2018.06.13-001158/https://mainichi.jp/articles/20180613/k00/00e/040/214000c

大阪府立懐風館高(羽曳野市)が生まれつき頭髪が茶色い生徒に黒く染めるよう強要していた問題を受け、府教委が全府立高(154校)に実施した頭髪指導アンケートで、校則などに染色や脱色を禁止する規定がない全日制の高校が10校あり、多くが進学校だったことが分かった。各校は順次、校則をホームページ(HP)で公開し始めており、7月末までに全府立高が公開する予定。自校の特色を受験生に知ってもらい、入学後の「ミスマッチ」を防ぐ狙いだ。【遠藤浩二
懐風館高の問題を巡っては昨年9月、3年(当時)の女子生徒が府に約220万円の損害賠償を求める訴訟を起こし、大阪地裁で争っている。訴訟は多くのメディアに取り上げられ、府教委は11月、全府立高にアンケートを実施。これまで各学校がどのように回答したかは公表されていなかったが、府側が裁判の中で証拠として提出していた。
裁判資料によると、北野高、茨木高、三国丘高など10校が染色や脱色を禁止する規定がないとアンケートに回答した。
また、懐風館高の校則や内規は全府立高の中でも極めて厳しいものだったことも判明。染色や脱色の禁止だけでなく、「切り込み」や「そり込み」、「ツーブロック」のほか、整髪剤やカチューシャ、ヘアバンドなどの使用も禁じていた。禁止事項が同校ほど細かく規定されている府立高は他にほぼなかった。
府教委高等学校課によると、卒業後にそのまま就職する生徒が多い府立高は、就職試験で面接があるため進学校より頭髪指導に力を入れる傾向にあるという。
同課は今年4月、全府立高に対し、7月末までにHPで校則を公開するよう通知した。これまで校則をHPで公開している学校はほとんどなかったという。府立高には学区がないため、生徒は府内のどの学校にも通うことができる。同課は「受験生が学校を選択する際の指標の一つになってくれれば」としている。