http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201806/CK2018060702000129.html
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国民民主党の山井和則衆院議員は六日の衆院厚生労働委員会で、政府が来年十月からの導入を決めた所得制限のない幼児教育・保育無償化について「低所得者より高所得者に六倍の恩恵がいく『逆社会保障』政策だ」と批判し、根拠となる独自の試算を公表した。内閣府の担当者は、無償化に必要な予算額が固まっていないとして「(二〇一九年度予算案が決まる)年末までに試算する」と答えるにとどめた。 (坂田奈央)
山井氏の事務所によると、試算は年収別の保育施設利用者数をまとめた厚労省の「福祉行政報告例」などを基に実施。無償化予算を総額八千億円とした場合、低所得の非課税世帯に使われるのは約二百六十億円なのに対し、年収八百万円以上の世帯向けは約千五百億円に上った。それぞれの人口比率は約17%と約13%という。
現行の認可保育施設の保育料は、所得に応じて設定されている。生活保護世帯は無料になるなど低所得世帯は減免され、高所得世帯ほど高い。
山井氏は無償化に関し「お金を投じることで、貧困家庭と高所得家庭の子どもの格差を広げる。史上最悪の子ども政策になる」と指摘。一九年四月から行う保育士の1%(月三千円相当)の賃金引き上げ予算が二百億円規模とされていることに触れ「保育の質の向上につながる保育士の処遇改善にもっと回すべきだ」と主張した。
無償化を巡っては、自民党が五日に開いた「人生百年時代戦略本部」の会合でも、出席議員から「高所得者優遇になる」「所得制限をかけるべきだ」などの声が出た。