憲法記念日 「改憲」「護憲」ともに都内で集会 - 毎日新聞(2018年5月3日)

https://mainichi.jp/articles/20180504/k00/00m/040/070000c
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憲法記念日の3日、改憲や護憲を訴える団体が東京都内で集会を開いた。自衛隊を明記して活動に歯止めをかける形での改憲を訴える第三極を模索する動きもあった。
改憲を目指す「美しい日本の憲法をつくる国民の会」のフォーラムには約1200人(主催者発表)が参加。安倍晋三首相のビデオメッセージが流され、気象予報士でタレントの半井小絵(なからいさえ)氏が「北朝鮮の核・ミサイル開発など危機的な状況にもかかわらず、国会では大切な議論が行われていない」と述べた。
改憲反対の署名活動を展開する護憲団体などの集会では、野党4党トップも演説。約6万人(主催者発表)が参加して安倍政権退陣を訴え、和光大の竹信三恵子教授は「平和ぼけという言葉があるが、憲法のありがたみが分からなくなっている」と警鐘を鳴らした。
解釈で広がりかねない自衛隊の活動を憲法に明記して制約する「立憲的改憲」を主張する集会も開かれ、伊勢崎賢治・東京外国語大教授は「どの国も文民統制を考えている。憲法9条をどうするか国民的議論をすべきだ」と訴えた。
伊勢崎教授は国連などで紛争地の武装解除などに関わり、国連平和維持活動(PKO)部隊の交戦を見てきた経験から「自衛隊は撃てないのに銃を持たされている」と指摘。東京大大学院の井上達夫教授も「日本は戦力を持っているのに、持っていないふりをしている。対抗的な改憲案を議論すべきだ」など、護憲派改憲派の双方を批判。権力を縛る形での改憲を求めた。【最上和喜、成田有佳、金子淳】