戦争、核兵器の恐怖…未来へ語り継ぐ 小野瑛子さん、伊勢崎で29日講演:群馬 - 東京新聞(2018年4月26日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/gunma/list/201804/CK2018042602000180.html
https://megalodon.jp/2018-0426-0916-43/www.tokyo-np.co.jp/article/gunma/list/201804/CK2018042602000180.html

広島市に投下された原爆で6歳の時に被爆した小野瑛子さん(78)=千葉県習志野市=が語り部となる講演「ヒバクシャのこえ」が29日午後1時半から、伊勢崎市曲輪町の赤石楽舎である。原爆で家族を失い、放射線障害で苦しんだ小野さんは「原爆や放射能障害は過去のことではない。原発核兵器廃絶など現在や将来につながる。私たち家族の体験がこうした問題を考えてもらうきっかけになれば」と話している。 (石井宏昌)
小野さんは広島市出身で原爆により父と姉を失った。母とともに全壊した家屋から逃れたが「黒い雨」を浴びたために放射線障害を発症。七、八年後に健康を取り戻したが、六十五歳の時に甲状腺機能障害などを発症し、闘病を続ける。
仕事ではファイナンシャルプランナー(FP)として一九八八年に独立し、女性FPの先駆けとして知られる。消費者側に立った視点で活動し、金融関連などの著書も多数ある。
一方で、原爆被爆者の立場から講演会などで体験を語り継ぐ活動を精力的に続ける。東日本大震災による東京電力福島第一原発事故後は原発放射線汚染の問題に取り組み、福島県内の被ばくや原発労働者の医療補償をテーマにした運動にも携わる。
講演会では、小野さんの母が原爆投下二年後に書き残した手記の小冊子も配る予定。小野さんの母はハワイ出身の日系二世で原爆の悲惨さを伝えようと英語で記し、米国の「TIME」誌宛てに送付したが、検閲にかかって没収された。母の死後に遺品から見つかり、小野さんが願いをかなえようと、英語のほか、日本語などに翻訳して小冊子にまとめ、八二年の国連軍縮特別総会で配布した。
小野さんは「戦争や核兵器放射線が何をもたらすのか、その恐ろしさを知ってもらいたい」と話す。
講演を主催する学童保育等運営事業者「こどもサポート」(伊勢崎市)の担当者は「親子など幅広い世代に聞いてほしい」と呼び掛ける。

参加費は寄付制。問い合わせは、こどもサポート=電0270(24)7404=へ。