知的障害者も選挙行きやすく 秩父で22日の市議選前に勉強会:埼玉 - 東京新聞(2018年4月10日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/saitama/list/201804/CK2018041002000147.html
https://megalodon.jp/2018-0410-1014-33/www.tokyo-np.co.jp/article/saitama/list/201804/CK2018041002000147.html

知的障害者に選挙への関心を深めてもらう勉強会が、秩父市社会福祉法人清心会であった。約50人の障害者が、投票所での流れや、補助者に投票の手助けをしてもらう「代理投票」の仕組みなどを学んだ。同市では15日告示、22日投開票で市議選が予定されており、立候補予定者から話を聞く機会も設けられた。 (出来田敬司)
清心会法人本部の大会議室。施設長の岡部浩之さんが、受講者にこれまでの投票での体験を尋ねた。
「候補者の名前を間違えないように書けるかどうか、気になった」など、有権者や立会人ら健常者ばかりの投票所で「壁」を感じるとの声が上がった。
知的障害者など成年被後見人の選挙権は二〇一三年の公職選挙法改正で回復した。今回勉強会を開いたのは、障害者にとって候補者の公約や投票の手順が理解しにくく、今なお投票から足が遠のいている人が多いとの判断からだ。
勉強会は、架空の選挙を設定、五人の立候補者の「公約」を聞いた後、投票箱に一票を投じた。清心会の呼び掛けに応じた、実際の秩父市議選の立候補予定者九人も会場に駆けつけ、それぞれの活動を報告した。
勉強会に臨んだ秩父市の会社員浅見悠紀子さん(31)は「初めて議員の人の話を聞いた。いろいろと地元の問題を考えていると感じた」と述べた。
秩父市の作業員栗島京子さん(44)は「これまで投票したことがない。字がうまく書けないので、次の市議選は代理投票で一票を入れてみようと思う」と笑顔を見せた。
清心会は知的障害者のためのグループホームや通所サービスなどを展開。主に秩父地域に住む十八〜八十八歳の延べ三百人以上の生活を支援している。