「調査手法おかしい」3万人署名 - 東京新聞(2018年4月19日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201804/CK2018041902000167.html
https://megalodon.jp/2018-0419-0908-21/www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201804/CK2018041902000167.html

福田淳一財務次官が十八日、セクハラを否定した上で辞任を表明したことに、セクハラに詳しい弁護士らは「これで終わりにしてはいけない」と警鐘を鳴らした。
「幕引きを図ったのだろうが、理由も経緯も不明。財務省のセクハラ調査はどうするのか。そもそも官僚が女性記者をどう扱ってきたのかという問題も残されたまま」。労働事件を多く手掛ける早田由布子弁護士は指摘する。
財務省が「調査」としてセクハラを告発した女性記者らに対し、顧問弁護士の事務所へ申し出るよう要請したことに強い危機感を持った。「セクハラで相談に来る人は、退職済みか、その決意をした人がほとんど。そこまでの覚悟がいることだと分かっていない」
調査手法の撤回を求める署名を十七日午後五時からネット上で集め始め、十八日午後十一時までに賛同が三万人を超えた。福田次官一人の問題に終わらせないよう、署名は十九日に財務省へ提出する予定だ。
劇作家の平田オリザさんは、約二十年前から演劇界のセクハラ問題に取り組み、主宰する劇団のメンバーを被害から守ってきた。「最も重要なことは、組織の長が毅然(きぜん)とした態度で『セクハラは絶対許さない』と示すこと。しかし、麻生太郎財務相は福田次官を『能力のある人材だ』と擁護し、セクハラに対処する気がないことを内外にアピールしてしまった」と指摘。「政治家の問題が大きい」と分析する。
「辞任で終わらせず、事実関係の調査を続け、制度を改めるなどセクハラ対策を検討すること。官僚も政治家もクオータ(割り当て)制などを取り入れ、女性を増やすことも必要だ」  (柏崎智子、小林由比)