http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/200587
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沖縄戦で「集団自決(強制集団死)」が起きた読谷(よみたん)村波平のチビチリガマが荒らされた事件で、保護観察処分を受けた少年4人がガマ周辺で23〜25日、犠牲者を悼む気持ちを込めて野仏を作った。遺族会の與那覇徳雄会長や彫刻家の金城実さん(78)らと共同制作しながら、凄惨(せいさん)な歴史と遺族の苦しみを受け止めた3日間。少年の1人は無知ゆえの行為を深くわび、「チビチリガマのことを、みんなに知らせるようにしたい」と継承役となることを誓った。
千羽鶴などが壊され、遺骨が納められた祈りの場であるガマ内まで手にかけられたことに憤りと悲しみを募らせた遺族と、少年による初の共同作業。3日間を通して交流も生まれた。
保護観察処分の一環。保護司や平和学習ガイドら10人ほどが少年を見守った。野仏は土台を含め1メートルに満たない高さ。ガジュマルの中を含め、ガマを囲むように12体を配置した。
25日は與那覇会長や金城さんに声を掛けられながら、少年は砂と水を混ぜたセメントを作り、野仏の土台を固定する作業に真剣な表情で取り組んだ。保護者の1人も加わった。
3日間の作業を終えた少年たち。最後に、保護者にうながされて遺族らの前に出た年長の少年が口を開いた。「この場所の意味を知らずに遊び半分でやったことを深く反省している。してしまったことの重大さは消えないが、今後はチビチリガマのことをみんなに知らせることをしたい」
深い反省と継続してチビチリガマにかかわる姿勢を示し、4人と保護者はガマに手を合わせた。同席者はその気持ちに拍手で応え、涙を流す人もいた。母方の祖父母ら5人を亡くした與那覇会長は「やった行為を反省してもらい、更生して立派な社会人になってほしい」と期待を込めた。
少年が前を向けるよう、今後もかかわり続けると話す金城さん。「やってしまったことは一生背負わないといけないが、正面から受け止めて反省することで解放される。次世代にチビチリガマの歴史をつなぐことを期待している」と話した。