沖縄戦跡の認識が希薄に チビチリガマ荒らし 逮捕の少年ら「肝試し」の動画撮影 - 琉球新報(2017年9月17日)

https://ryukyushimpo.jp/news/entry-576898.html
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沖縄戦で住民が「集団自決」(強制集団死)に追い込まれた沖縄県読谷村の自然壕チビチリガマが荒らされ、沖縄本島中部に住む16歳から19歳の少年4人が逮捕された事件で、沖縄県警嘉手納署は16日、少年4人のうちの一部が「心霊スポットへ肝試しに行こうと思った」などと供述していることを明らかにした。捜査関係者によると、少年たちは肝試しの様子を動画で撮影していたという。専門家は事件の背景として、戦跡への認識が薄れていると指摘している。
捜査関係者によると、少年たちは被害届の出されていない瓶や遺品なども壊したと供述している。取り調べでは、損壊行為を反省する供述もしているという。少年らは居住地や年齢が違うため、関係性についても捜査している。動画のインターネットへの投稿は確認されていない。
嘉手納署によると、少年らは10日の午前中の明るい時間帯に、他の少年らと共に合計7、8人でチビチリガマを訪れたと供述している。4人以外の少年は、損壊行為に対して「やるな」と制止したため、器物損壊容疑には加わっていないとみられる。現場にはバイクで訪れていた。
事件発覚後、少年たちの関係者から「少年がガマを荒らしたのが分かった」と連絡があり、嘉手納署は15日に遺族会から被害届が提出された後、少年たちから任意で事情を聞いていた。
新城俊昭沖縄大学客員教授琉球・沖縄史教育)は、少年たちがチビチリガマを訪れた理由が肝試しだったことについて「戦跡の意義が少し薄れてきている。県内の学校では戦跡そのものに行くことが少なくなっている」と指摘し「戦争遺跡の意義を子どもたちに感じてもらえるように、伝えていくことが重要だ」と話した。