http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201801/CK2018012302000136.html
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学校法人「森友学園」の国有地売却問題を巡り、財務省近畿財務局が学園との交渉について、法令上の問題がないか対応を検討した文書を保管していたことが分かった。上脇博之(かみわきひろし)神戸学院大教授の情報公開請求に開示した。財務省は交渉に関する資料を「破棄した」と国会で答弁してきた。
近畿財務局は「開示文書は内部の検討資料で交渉記録ではない」と説明しているが、詳細な経緯が記されていた。上脇教授は「交渉内容が含まれた文書があるのに、国民に知らせてこなかったのは問題だ。国の説明は不十分だ」と批判した。
文書は財務局の売却担当者から法務担当者への質問を記した「照会票」と、回答をまとめた「相談記録」で二〇一五、一六年度分の計七十四枚。
学園側は一五年五月、大阪府豊中市の国有地について、小学校開校のために財務局と定期借地契約を締結。だが、くい打ち工事中に地中からごみが見つかり、一六年三月十一日、財務局に報告した。
同二十四日付の照会票によると、学園は開校が遅れる恐れがあるとして「土地を安価に買い受けることで問題解決を図りたい」と要請。「無理であれば、事業を中止して損害賠償請求せざるを得ない」と主張した。
ごみ撤去の法的責任を問われた法務担当者は、同三十一日付の相談記録で「明確な回答は困難」としつつも、賠償請求の可能性があり「速やかに方針を決定し、義務違反を免れる策を講じることが望ましい」と回答した。
四月二十二日付の照会票では「賠償請求されない具体的な手法を検討したい」と記載。五月十九日付の相談記録で法務担当者は「(学園が)今後損害賠償(請求)を一切行わないとの特約付きの売買契約を締結し直す方がリスクは少ない」と答えた。
国有地は一六年六月、ごみの撤去費として八億円余りを値引きされ、国の責任を免除する特約を付けて一億三千四百万円で学園に売却された。
財務省の佐川宣寿(のぶひさ)理財局長(当時)は昨年二月の衆院予算委員会で交渉記録は「残っていない」と述べ、その後も同省は同様の答弁をしてきた。◆国、あまりに不親切
<神戸学院大の上脇博之教授の話> 森友学園と財務省近畿財務局との交渉記録については、昨年三月から情報公開請求してきた。訴訟や請求のやり直しを経た上で、やっと交渉に関連した文書が開示された。説明責任を尽くすべき国の姿勢はあまりに不親切で、意図的に隠したと言われても仕方がない。関連文書は保存されているのに、肝心の交渉記録が一年未満で破棄された判断には整合性は全くなく、違法な処分が疑われる。