日本人は全体見る傾向=「波風立てない」面も―国際学力調査 - 時事通信(2017年11月21日)

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171121-00000094-jij-soci
http://archive.is/2017.11.22-002954/https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171121-00000094-jij-soci

2015年の国際学習到達度調査(PISA)の「協同問題解決能力調査」で、日本はチームの全員が全体を見て判断するのを得意とする傾向がうかがえた。
一方、「波風を立てない」といった面も表れ、最短での問題解決を妨げている可能性も指摘された。
調査では大問6題が出題され、このうち1題が公表された。回答者と、コンピューター上の仮想の生徒2人の計3人がチームでコンテストに参加し、架空の「ザンダー国」の地理、人口、経済の問題に答えていく設定だ。
チャットが始まり、あかねさんが「一番いい方法はどれ?」、三郎君が「とにかく始めようよ」と言ってきた場面で、回答者が四つの選択肢から最適なメッセージを選ぶ問題では、日本の生徒の72.6%が正答の「たぶん、はじめにやり方を決めた方がいいんじゃないかな?」を選んだ。経済協力開発機構OECD)加盟国の平均は55.7%だった。
文部科学省は「日本人は全体を見渡すのが得意。欧米などでは、リーダーに指名された人以外は全体的なことを考えず、決められた役割だけに取り組むことが多い」と分析する。
一方、地理の問題は回答者が答えると決めたのに、あかねさんが答えて正解したと伝えてきた場面。正答の「僕が地理の問題をやるはずだったのに。みんな、自分が選んだ分野をやろうよ」を選んだ日本の生徒は13.7%と低く、OECD平均の17.5%も下回った。「よくやったね」の選択肢を選んだ生徒が多かったという。
文科省は「日本人は、まずは相手を認める、波風を立てない面はあるのかもしれない」と指摘。その上で、「正答の方が問題解決に速くたどり着けるが、まず共感する選択肢を誤って選んでしまった生徒が多かったのではないか」とみている。