(大弦小弦)「首相は大量の軍事装備を購入するようになる。そうすれば、ミサイルを撃ち落とせる… - 沖縄タイムズ(2017年11月9日)

http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/168090
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「首相は大量の軍事装備を購入するようになる。そうすれば、ミサイルを撃ち落とせる。米国で多くの雇用が生まれ、日本はより安全になるだろう」

▼日米首脳会談後の記者会見。トランプ大統領の言葉に耳を疑った。「米国からさらに購入していくことになるだろう」と応じた安倍晋三首相の言葉にも
▼安倍政権はすでに最新鋭のステルス戦闘機FA35A(約147億円)を42機、地上配備型迎撃ミサイルシステム(約800億円)2〜3基、ミサイル(1発約30億円)も自衛隊の装備品として導入する計画だ。これ以上、何を売り何を買えば満足するのだろう
▼トランプ氏は、崇高な理念を語る米大統領像からはほど遠い。世界最強の軍事力を背景に、平和をいくらで買うか、北朝鮮だけでなく同盟国とも取引する「ビジネスマン」にしか見えない
▼緊迫する北朝鮮情勢を「追い風」に、米国軍需メーカーの株価は政権発足後、2〜6割も上昇。軍需産業は潤っている。米紙に「忠実な相棒」と評される安倍首相。国民の血税を注いだ先に何があるのか見えない
▼韓国は原潜購入を検討しつつも文在寅大統領は、北朝鮮の攻撃には事前の同意が必要とくぎを刺している。蜜月ぶりをアピールし「日米が100%共にある」と強調する安倍首相は、トランプ氏に「ノー」と言える時が来るのだろうか。(知念清張)