核廃絶決議 被爆者「まがいもの」反発の声が続々 長崎 - 毎日新聞(2017年10月28日)

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171028-00000072-mai-soci
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国連総会第1委員会で日本政府が提案して採択された核廃絶決議案について、長崎市の田上(たうえ)富久市長は28日、決議内容が従来より後退したことを踏まえて、「まるで核保有国が出した決議かのような印象。被爆地として残念な思いを禁じ得ない」と批判するコメントを出した。
今年の決議案は、核実験全面禁止条約への批准を、米国など8カ国の未批准国に要請する表現が弱まるなどしたほか、核兵器禁止条約について言及しなかった。決議案への賛成票は昨年より23カ国減っており、田上市長は「被爆国としての毅然(きぜん)たる姿勢と具体的な取り組みを示すよう強く望む」と政府に注文を付けた。
長崎の被爆者からも反発の声が続々と上がった。長崎原爆被災者協議会の田中重光会長(77)は「核兵器禁止条約に触れなければ、中身が無い」と述べ、長崎県平和運動センター被爆者連絡協議会の川野浩一議長(77)も「核廃絶を後退させる『まがいもの』決議案を提出したのは恥の上塗りだ」と語った。
被爆者の朝長万左男・日本赤十字長崎原爆病院名誉院長(74)は「国際社会の中で日本が核兵器廃絶の橋渡し役を担うつもりなら、禁止条約への一定の評価を示すことが先決だ」と指摘した。【浅野翔太郎、今野悠貴】