http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2017101302000119.html
https://megalodon.jp/2017-1013-0916-58/www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2017101302000119.html
沖縄県宜野湾市の普天間第二小学校は、「耳育て」を大切にしているという。
給食の時間には、校内放送でクラシック音楽をよく流す。毎週金曜日の朝には、保護者が絵本などの読み聞かせをする。さまざまな美しい音楽や語りにじっと聴き入る。そういう「耳を育てる」時間を大切にしているのだ。
しかし、いくら耳を傾けても、音楽も声も聞こえなくなる時間があるそうだ。学校のすぐ横にある米軍普天間飛行場でヘリなどが離着陸すると、爆音で学校中の空気が圧倒されるという。
音だけではない。沖縄の学校は、米軍機の墜落の恐怖にもさらされている。一九五九年には小学校にジェット機が墜落炎上して、十八人の命が奪われた。八二年には普天間第二小からわずか二百メートル余の場所にヘリが墜落し、二〇〇四年には普天間飛行場近くの大学にヘリが墜落炎上した。
そしておととい、普天間飛行場所属のヘリが東村(ひがしそん)に不時着して、民家から三百メートルほどの場所で大破した。「日常の世界が一転して恐ろしい状況になることに、大変違和感があった。悲しく、悔しい」という翁長雄志(おながたけし)知事の言葉には、数々の事故の記憶がにじんでいるのだ。
「悲しく、悔しい」という声に、どう耳を傾けるか。事故の真相究明は米軍任せという日米地位協定は今のままでいいのか。沖縄からの問い掛けは、私たちに課せられた「耳育て」だろう。