https://mainichi.jp/articles/20170611/ddm/001/100/177000c?fm=mnm
http://archive.is/2017.06.11-021620/https://mainichi.jp/articles/20170611/ddm/001/100/177000c?fm=mnm
学校法人「森友学園」(大阪市)が大阪府と国の補助金を不正受給した疑いが強まったとして、検察当局が籠池泰典・前理事長(64)を詐欺と補助金適正化法違反の両容疑で立件する方針を固めたことが分かった。大阪地検特捜部は任意で関係者の聴取を進めているが、今月中にも強制捜査に踏み切る方向で検討している模様だ。国有地の売却をきっかけとした一連の疑惑は、刑事事件に発展する見通しになった。【三上健太郎、岡村崇】
月内にも強制捜査
不正受給の疑いがあるのは、学園が運営する塚本幼稚園(大阪市)に交付された大阪府の補助金と、大阪府豊中市の国有地で開校を計画していた小学校建設に伴う国土交通省の補助金。
府によると、籠池前理事長は在職中の2011〜16年度、勤務実態のない教員を補助対象とする虚偽の書類を提出するなどして、幼稚園の専任教員数に応じた補助金約3440万円と、障害などで支援が必要な園児数に応じた補助金約2740万円をだまし取った疑いがある。
府の調査で、学園側が申請した教員のうち延べ25人は勤務実態がなかったり、系列保育園の職員を兼務したりしていた。障害児についても、補助金交付の条件となる支援をしていないなどの不正が判明。府は5月、学園に返還を命じ、詐欺容疑で特捜部に告訴した。
一方、国交省の補助金は木材を生かした建築物を対象に工事費などを補助する仕組み。15年7月、学園は工事費を約23億円と見積もって補助金の適用を申請。その後、約15億円で建設業者と工事請負契約を結んだが、国側にはこの契約書を提出せず、工事費を約23億円とする別の契約書を提出し、今年2月までに約5600万円を不正に受け取った疑いがある。
学園が小学校の設置認可申請を取り下げたことに伴い、国交省は補助金の返還を命令。学園は3月に全額を返還した。
特捜部は高松市内の男性から告発を受け、補助金申請の代理人だった設計業者や建設業者らを任意で聴取。府の補助金についても府職員や園児の保護者らから聞き取りを進めていた。