県教委が請願文書を1年半放置 異例の謝罪議案提案:神奈川 - 東京新聞(2016年11月29日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/kanagawa/list/201611/CK2016112902000130.html
http://megalodon.jp/2016-1129-0912-14/www.tokyo-np.co.jp/article/kanagawa/list/201611/CK2016112902000130.html

教育委員会が、県民からの請願文書を一年半近くにわたって放置していたことが分かり、謝罪の意を表明する異例の議案が二十八日、県議会本会議に提案された。横浜地裁小田原支部の和解勧告に応じる形。県教委高校教育課の担当者は「申し訳ない。言い訳のしようがない」と平謝りだ。
県教委によると、二〇一四年九月、伊勢原市の男性が、県が導入した県立高校生の入院時の学習支援について、全国に発信してほしいと請願。教員を病室に派遣する取り組みで、積極的に評価する趣旨だった。
しかし受け付けた当時の高校教育企画課(現・高校教育課)は、教育委員会会議に諮るなどの対応を放置。今年一月、男性から情報公開請求があり、文書を捜したところ、担当者の机の引き出しに、保管したままになっていたと分かった。
県教委は書面で謝罪したが、男性は精神的苦痛を受けたとして、五万円の損害賠償を求めて三月に提訴。十月になり、県側が「対応の誤りで一年以上未処理が続いたことを謝罪する」との意思を公表し、再発防止に取り組むことで和解の見通しが立ったという。
請願は当初、知事あてに提出され、転送された高校教育企画課が受理した。保管していた担当者は「まったく覚えていない」といい、原因は特定できなかったという。 (原昌志)