小池知事が豊洲騒動で見せた巧みな情報操作術とは? (窪田順生さん) - ダイヤモンド・オンライン(2016年9月23日)

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小池知事が、手練のテクニックを用いてまで、「豊洲新市場」を主戦場にしたのは、ここを探っていくと、歴代の知事たちが見て見ぬふりすることしかできなかった、「官・民・政」の結びつきを切り崩すことができるからだ。
『「豊洲」という地名も、工事を担当した東京市港湾局が賞金百円で職員から募集して選んだといわれる』(朝日新聞1999年9月13日)という戦前からの因縁や、東京都のごみ処分埋め立てが、清掃局ではなく港湾局が主体として仕切っていることからもわかるように、このあたりの事業は長く「港湾局のシマ」だった。
今回の騒動の「そもそも」を言い出すと、東京ガスの跡地に市場を建てるというところからきた。これは石原前都知事の片腕である、浜渦武生氏が交渉にあたり、2001年2月に東京ガスと話をまとめたというのは有名だが、その交渉の前に、臨海副都心開発の旗振り役をしていた今沢時雄港湾局長が、2000年から東京ガスに顧問として天下りし、その後、取締役の席に座っていることは、あまり知られていない。
こういう構造を長らく放置してきたのは、「ドン」をはじめとする自民党都議である。
築地移転は来年5月まで延期する見込みらしい。6月には都議選がある。この問題がこじれればこじれるほど、都民の血税は失われる。しかし、その一方で、「ドン」たちを追い詰める「ネガキャン」としては、これ以上のものはない。
東京湾まわりの「腐臭」が「話し合い」でどうにかなるものではない、というのは、小池知事ならばよくわかっているはずだ。かつて、「防衛庁天皇」と呼ばれた守屋武昌事務次官と刺し違えた時の戦いぶりを見ても、小池知事が本気で「ドン」の首をとりにきているのは間違いない。
巧みな情報操作術で、世論を味方につけたところまでは小池知事の圧勝だ。しかし、橋下元市長が指摘するように、「不正」をつかまなければ、「血税を使った権力闘争」という批判も受けなくてはいけない。
「女ケンカ師」小池知事の次の一手に注目したい。