石原氏の「責任」検証へ=豊洲市場の住民訴訟で−小池都知事 - 時事ドットコム(2017年1月20日)


http://www.jiji.com/jc/article?k=2017012000527&g=pol
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東京都の小池百合子知事は20日の記者会見で、築地市場中央区)の移転先である豊洲市場江東区)の用地購入をめぐる住民訴訟について、石原慎太郎元知事に責任はないとしてきた都の対応を見直す考えを示した。小池氏は「石原氏に責任があるのか。あるとすれば、都に与えた損害の額は一体どのぐらいなのか、その点を明確にする」と強調。新たな弁護団を中心とした「訴訟対応特別チーム」を編成し、用地購入までの事実関係の検証を進めるという。
2012年5月、東京地裁に起こされた住民訴訟では、土壌汚染の実態やその対策費が巨額に上る見込みがあったにもかかわらず、東京ガスの工場跡地を豊洲市場の用地として購入する契約を都が結んだのは「都知事裁量権を乱用逸脱した違法行為」と指摘。都に対し、当時知事だった石原氏に約578億円を請求するよう求めている。
都はこれまで、石原氏に損害賠償責任は存在しないとの方針で訴訟に臨んできた。しかし、小池氏は「私たちが担う負の遺産のことを考えると、これまでと同じ訴訟の方法は無理があるのではないかと思う」と表明。2月9日に予定されている次回口頭弁論の期日を4月初旬まで延期するよう都側から申し出て、証拠収集などを急ぐ。都特別顧問の加毛修弁護士によると、年度内には裁判での対応を固めるという。
小池氏は昨年10月、豊洲市場の一連の問題をめぐり石原氏に質問状を送付したが、石原氏からの回答書は具体性に乏しく、小池氏が公開の場での聞き取りを求めても、石原氏は高齢などを理由に拒否している。