元規制委員、原発、地震を過小評価 玄海など見直し言及 - 佐賀新聞(2016年6月14日)

http://www.saga-s.co.jp/sp/news/saga/10101/322595
http://megalodon.jp/2016-0614-1958-31/www.saga-s.co.jp/sp/news/saga/10101/322595

原子力規制委員会の委員当時に地震津波関係の審査を担当した島崎邦彦・東京大名誉教授(地震学)は13日、原発の基準地震動(耐震設計の目安となる揺れ)の算出に使う一部の計算式に問題があり、審査に合格した関西電力高浜原発福井県)など、主に西日本の原発で過小評価されている危険性があると指摘した。共同通信の取材に答えた。
原発審査では最新の科学的知見を反映する必要があり、審査の見直しにつながる可能性がある。
島崎氏は2014年9月に規制委の委員長代理を退任した後、この計算式の問題点を検証。4月の熊本地震で得られた詳細な観測結果を説明できないことから、計算式の問題点を確認した。島崎氏は「新しく分かった科学的知見として、この計算式を用いた原発の基準地震動を見直す必要がある」として、審査基準の見直しや審査のやり直しの必要性に言及した。
過小評価は能登半島以西の原発で可能性が高く、審査が相当程度進んだ関電大飯原発福井県)や九州電力玄海原発東松浦郡玄海町)も含まれる。合格したうちの四国電力伊方原発愛媛県)と九電川内原発(鹿児島県)では、この計算式の影響は小さいとみられる。
計算式は、入倉孝次郎・京都大名誉教授らが提唱し、想定される断層の面積から地震規模(地震モーメント)を求める。地下の断層面が地表に対して直角に近く、水平方向にずれる「横ずれ断層」などでは、過小評価の傾向が特に強くなるという。【共同】