慰安婦問題の解決さらに難航も 日韓協議は越年へ - 東京新聞(2015年12月16日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201512/CK2015121602000122.html
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日韓両政府は十五日、外務省局長級協議で旧日本軍慰安婦問題などを話し合ったが、溝は埋まらず、妥結は越年する見通しになった。来年四月には韓国の国会議員選挙が、夏には日本の参院選が控えている。野党からの攻撃や世論を意識し、両政権とも政治課題での決断が一層困難になる可能性がある。 (篠ケ瀬祐司)
日韓は十一月二日の首脳会談で、今年が国交正常化五十年にあたることを念頭に、慰安婦問題の早期妥結に向けた交渉加速で合意。局長級協議は首脳会談後、ソウルでの同十一日に続く二度目で、外務省の石兼公博アジア大洋州局長と韓国の李相徳(イサンドク)東北アジア局長が出席した。
協議後、外務省幹部は「互いの立場を述べあった。継続協議だ」と説明した。李氏は次回協議の時期について「今年中は難しいのではないか」と話した。
慰安婦問題について、日本は一九六五年の日韓基本条約に関する請求権協定で「解決済み」との立場。一方、韓国内には日本政府の責任明確化や謝罪を求める世論が根強い。朴槿恵(パククネ)大統領は「被害者が受け入れ、国民が納得できる解決策」を日本側に求めている。
岸田文雄外相は同日の会見で「両国首脳の確認を受け、関係者は努力を続けなければならない」と進展を促したが、外務省幹部は「お互い積極的な姿勢で臨んだが、そう簡単ではない」と難しさを指摘している。