辺野古座り込み500日 「国と闘うのはこの場所しかない」 - 東京新聞(2015年11月19日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201511/CK2015111902000125.html
http://megalodon.jp/2015-1119-0920-07/www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201511/CK2015111902000125.html

米軍普天間(ふてんま)飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)の名護市辺野古(へのこ)移設に反対する市民らが、埋め立て予定地近くで抗議の座り込みを始めて十八日で五百日となった。運動の中心人物として知られる沖縄平和運動センター議長の山城博治(ひろじ)さん(63)は、悪性リンパ腫の闘病を続けながら、沖縄への基地負担集中が変わらない不条理を訴えている。
「政府に対峙(たいじ)する沖縄の決意を示そう。闘いは辺野古、この場所をおいてほかにない」。座り込みの現場となっている米軍キャンプ・シュワブのゲート前では同日朝、節目の集会が開かれ、山城さんは約千人(主催者発表)の参加者にマイクで呼び掛けた。
中学時代から反戦運動に関わり、高校時代は日米安全保障体制の要に沖縄を据え置く形での本土復帰に反対の声を上げた。高校をバリケードで封鎖して除籍処分にもなった。五十代まで県職員を勤める傍ら、労働組合や市民団体で反基地運動に身を投じてきた。
昨夏、政府が海底ボーリング調査に着手するのを前に辺野古へ乗り込み、仲間内で交代しながらの座り込みを始めた。
だが、今年四月に病気が発覚。半年間にわたって療養生活を余儀なくされた。抗がん剤の影響で、髪は抜け落ちた。
山城さんは、普天間飛行場を同じ沖縄県内に移設する政府の意図について「かつては米英、今度は中国を相手とした『いけにえの戦場』に沖縄を差し出す図が見える」と指摘。「基地負担を全国で分担してほしいという沖縄の要求は過大だろうか」と問い掛ける。
知事選をはじめ、沖縄で昨年行われた主な選挙で辺野古反対派候補が全勝した事実を踏まえ「沖縄の世論を無視すれば、憲法に書いてある地方の自治をつぶし、民主主義を壊すことになる」と警鐘を鳴らしている。