<親子で学ぶぅ>安保法で「戦える国」に - 東京新聞(2015年10月18日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201510/CK2015101802000198.html
http://megalodon.jp/2015-1019-1020-10/www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201510/CK2015101802000198.html

今は新聞週間(しゅうかん)です。「親子で学ぶぅ」はきょう、特別(とくべつ)に1ページ目に登場(とうじょう)しました。こどもの日に続(つづ)いて2回目の登場です。テーマは先月国会(せんげつこっかい)で成立(せいりつ)した安全保障関連法(あんぜんほしょうかんれんほう)(安保法(あんぽほう))。聞いたことはあっても難(むずか)しそうなので避(さ)けていた人もいるでしょう。きょうはできるだけ分かりやすく説明(せつめい)してみます。 (学ぶぅ担当デスク・城島建治)
日本は先(さき)の戦争(せんそう)で中国(ちゅうごく)などアジアの国々(くにぐに)を攻(せ)め、多くの人を苦(くる)しめました。その反省(はんせい)から戦争が終(お)わって二度(にど)と戦争しないと誓(ちか)い、70年間守(まも)ってきました。しかし安倍晋三首相(あべしんぞうしゅしょう)は中国の力(ちから)が強(つよ)くなっているので、米国(べいこく)ともっと仲良(なかよ)くしていざという時に助(たす)けてもらえるようにしないといけないと訴(うった)え、安保法をつくりました。
法律(ほうりつ)の中身(なかみ)は本当(ほんとう)に複雑(ふくざつ)ですが、日本がいつでもどこでも、米国など仲のいい国の軍隊(ぐんたい)を助けることができるようになりました。仲のいい国が攻められた時、その国を守るために武力(ぶりょく)を使(つか)うのを集団的自衛権(しゅうだんてきじえいけん)と言いますが、今回(こんかい)の法律ではその権利(けんり)も使えるようになりました。「戦(たたか)わない国」から「戦える国」に日本が変(か)わり始(はじ)めたのです。
日本の基本的なルールを決めた憲法(けんぽう)を研究(けんきゅう)する人たちは、この法律を憲法違反(いはん)だと批判(ひはん)しています。
安保法が成立したことで、国民(こくみん)を無理(むり)やり軍隊で働(はたら)かせる徴兵制(ちょうへいせい)が、将来復活(しょうらいふっかつ)するかもしれないと心配(しんぱい)する人がいます。戦前(せんぜん)、日本には徴兵制があり、多くの人が亡(な)くなりました。
安倍さんは「憲法違反なので徴兵制はありえない」と言っています。でも、安保法は憲法違反と批判されながら成立したのですから、また憲法に反するような法律ができる可能性(かのうせい)が絶対(ぜったい)にないとは言い切(き)れません。若(わか)い皆(みな)さんも、注目(ちゅうもく)し続(つづ)ける必要(ひつよう)があると思います。
来年(らいねん)から選挙(せんきょ)で投票(とうひょう)できる年齢(ねんれい)は20歳(さい)から18歳になります。あなたは何年後に18歳になりますか。選挙では今回紹介(しょうかい)した安保法のように、重要(じゅうよう)な問題(もんだい)がテーマになります。その時に自分(じぶん)の考(かんが)えを持ち投票することが大切(たいせつ)です。一票(いっぴょう)で皆さんの将来(しょうらい)が決(き)まるのですから。