安保法審議の参院特別委 議事録公開が異例の遅れ - 東京新聞(2015年10月9日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201510/CK2015100902000120.html
http://megalodon.jp/2015-1009-0910-57/www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201510/CK2015100902000120.html

安全保障法を審議した参院の特別委員会の議事録公開が遅れている。公聴会を除き二十一回開かれた特別委のうち八日現在、議事録が印刷されたのは八回目の八月五日分まで。国立国会図書館のサイト「国会会議録検索システム」で閲覧できるのは七月二十九日の四回目分までだ。 (篠ケ瀬祐司)
採決の正当性に疑問が出ている九月十七日の議事録は今月十一日にも参院ホームページ(HP)で公開される予定。ところが、HPは三十日以内に行われた会議の内容しかアップされないため、今月十七日までしか見られない。
参院事務局によると、議事録は原稿ができると国立印刷局にデータが送られ、翌々日をめどにHPに掲載する。印刷後、翌々日ほどで検索システムで閲覧できる。国立国会図書館総務課は「平均すれば、会議終了から二〜三週間で掲載している」と説明。現在公開分は通常の倍以上時間がかかっていることになる。
特別委の運営を担った参院委員部の担当者は「議事録末尾に付ける議員が委員会に提出した資料の確認に時間がかかった」と説明する。与野党で合意した掲載分量を超えたり、著作権の確認に時間を要したりした資料があり、議事録完成が遅れたという。
日付順に印刷局にデータを送る慣例に従っているため、どこかで資料の「確認」が遅れると、全体の公開時期がずれる。
本紙が最初に取材した五日時点では、印刷局にデータが渡っていたのは九回目の八月十一日分まで。その後、八日までに十七回目の九月八日分までのデータを印刷局に渡した。
九月十七日の未定稿の議事録では、採決場面は「……(発言する者多く、議場騒然、聴取不能)」と書かれている。「議事録を精査し、実態が明らかになるまで議決は無効だ」との指摘もある。
特別委理事を務めた福山哲郎参院議員(民主)は取材に「これほど時間がかかるのは理解できない。一日も早く国民に議事録を公開すべきだ」と話している。