「改ざん議事録の撤回を」 参院特別委で公述のシールズ奥田氏ら訴訟も検討 - 東京新聞(2015年10月16日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201510/CK2015101602000126.html
http://megalodon.jp/2015-1016-0915-06/www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201510/CK2015101602000126.html

安全保障関連法に関する参院特別委員会が、採決を宣告する鴻池祥肇(こうのいけよしただ)委員長の発言を「聴取不能」としながら「可決すべきものと決定した」と議事録に付け加えた問題で、特別委の公聴会で公述人を務めた三人が十五日、国会内で記者会見し「議事録の改ざんと断じるほかなく、ただちに撤回すべきだ」と訴えた。採決不存在の確認を求めて、訴訟を起こすことも検討するとした。
中央公聴会で公述人を務めた学生グループ「SEALDs(自由と民主主義のための学生緊急行動、シールズ)」の中心メンバー奥田愛基(あき)氏(明治学院大四年)は、議事録が連休中の今月十一日に公表されたことに触れ「なぜこのタイミングなのか」と疑問視。「後で付け加えて、なかったことを『ある』と言っても(連休中なら)マスコミもわれわれも気付かないだろうということ。バカにされた気分だ」と述べた。
横浜市での地方公聴会で公述人を務めた弁護士の水上貴央氏と広渡(ひろわたり)清吾・専修大教授も撤回を求めた。
水上氏は与党議員が鴻池委員長を取り囲み、審議が再開されたことを確認できない状況で採決が行われたことを野球に例え「タイム中に突然ゲームセットになった。国会が国民に信頼されなくなる」などと批判した。特別委が地方公聴会の報告をしないまま審議を打ち切った点にも触れ「都合の悪い公聴会の報告はしなくてもいいことになり、公聴会自体が意味をなさなくなる」と指摘した。
広渡氏は「国民の目の前で行われたことを隠さずに残すことが、今回の事態を歴史的に検証する上でも重要だ」と強調した。 (宮尾幹成)