日弁連:「今を戦前にしない」東京でシンポジウム - 毎日新聞(2015年8月9日)

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戦後70年を機に「今を戦前にしないために」と題したシンポジウムが8日、東京都内であり、山崎拓・元自民党副総裁▽加藤陽子・東京大教授(日本近代史)▽南野森・九州大教授(憲法学)の3人が、ニュースキャスター、村尾信尚氏の司会で憲法や安全保障関連法案などについて議論した。日本弁護士連合会の主催。
約350人の聴衆を前に、防衛庁長官も務めた山崎氏は「軍事力で強い国になろうとしてはだめだ。しみじみそう思うようになった」と述べ、専守防衛の堅持を訴えた。「今を戦前にしないためにどうしたらいいか」との質問には「戦前は女性に参政権がなかった。女性が政治に関心を持つことが将来のために大事だ」と答えた。
同じ質問に加藤氏は「軍が国民の安全を理由に秘密を抱え込み、情報をコントロールしたから戦争ができた。こういう組織を二度と生まないこと」と指摘。南野氏は「今と戦前の最大の違いは、国民に言論の自由が保障されていること。これを最大の武器にしたい」と述べた。
一方、山崎氏は現在の自民党について「(上しか見ない)ヒラメばかりになっている。翼賛的だ」と批判。「1〜2年生議員が増え、政策通のベテランはほとんど引退した。そのために安倍(晋三)首相に権力が集中してしまった」と分析した。【日下部聡】