「報道圧力」問題 4氏処分 自民、主宰の青年局長ら

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自民党谷垣禎一幹事長は二十七日、党本部で記者会見し、党内の若手議員による勉強会で安全保障関連法案をめぐって報道機関に圧力をかけるような発言が相次いだ問題で、会を主宰した木原稔青年局長(衆院熊本1区)を一年間の役職停止とし、事実上更迭する処分を発表した。問題発言をした大西英男(東京16区)、井上貴博(福岡1区)、長尾敬(比例近畿)の各衆院議員も厳重注意処分にした。今国会成立を目指す法案審議への影響を懸念し、早期の事態収拾を図った。 
谷垣氏は会見で、三氏の発言について「自民党報道の自由言論の自由に対する基本的な精神を誤解させるものだ。国民の信頼を大きく損なうもので看過できない」と説明。「与党の政治家は、自分の思ったことを言い募ればいいという責任の浅いものではない」と強調した。
勉強会は「文化芸術懇話会」で、木原氏が代表を務める。二十五日に党本部で開いた初会合には、作家の百田尚樹(ひゃくたなおき)氏を講師に招き、加藤勝信官房副長官萩生田光一総裁特別補佐ら首相側近を含む三十七人が参加した。
大西、井上両氏は、マスコミの広告料収入を断つべきだと発言。長尾氏は沖縄県の地元二紙を「左翼勢力」などと非難した。会議は冒頭以外は非公開だったが、発言者と内容はマイクを通じ、室外まで聞こえていた。
首相は二十六日の安保法案に関する衆院特別委で、関係者の処分に否定的な姿勢を示していた。だが、野党側は首相の自民党総裁としての責任を追及する構えを強めており、党執行部は「違憲立法」と批判されている安保法案の審議がさらに停滞しかねないと判断した。
◆「広告なくせ」は大西氏 昨年、女性蔑視やじで謝罪
自民党の若手議員の勉強会で報道機関に圧力をかけるような発言をしたとして二十七日に厳重注意処分を受けた衆院議員三氏のうち、大西英男氏(東京16区)は昨年、国会審議中に女性蔑視のやじを飛ばして謝罪に追い込まれたのに続く問題発言となった。
大西氏は昨年四月、衆院総務委員会で野党の女性議員に「早く結婚して子どもを産まないと駄目だぞ」とやじを飛ばしたことが七月になって表面化。女性議員への電話と自身のホームページ(HP)で謝罪し、党執行部から厳重注意も受けた。大西氏は今回勉強会については、二十六日のHPで「マスコミを規制したり党内議論を封殺することを目的に開かれた会合では決してない」と説明していた。