国旗・国歌国立大に要請 学長ら異論、戸惑いも - 東京新聞(2015年6月17日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2015061702000108.html
http://megalodon.jp/2015-0617-0915-00/www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2015061702000108.html

今回の要請のきっかけとなったのは、四月の安倍晋三首相の国会答弁。国旗掲揚と国歌斉唱について「(国立大が)税金で賄われていることに鑑みれば、正しく実施されるべきではないか」と答弁していた。
背景には、国立大全八十六校中、今春の卒業式で国旗掲揚を行ったのが七十四校、国歌斉唱が十四校にとどまるという実態がある。国旗掲揚と国歌斉唱の指導を明記した学習指導要領に基づき、ほぼ全ての公立小中高校が入学式などで実施するのと事情が異なる。
大学では戦前、研究や言論が国家権力に抑圧され、戦後に自治や学問の自由が認められてきた経緯がある。会議に出席しなかった国立大の幹部は「大学経営が厳しい中、国は運営費交付金の減額をちらつかせ、大学が今まで守ってきたことを曲げさせようとしている。公権力の介入はあってはならない」と批判した。 (沢田敦、安藤恭子