最高裁、地裁の公判前手続きに異例の「注文」- 読売新聞(2015年5月27日)

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詐欺事件の被告が、公判前整理手続きで主張しなかった詳細なアリバイを公判で語ろうとしたのを地裁が制止したことの是非が争われた刑事裁判の上告審で、最高裁第2小法廷は25日付の決定で「アリバイの具体的な説明を制止したのは違法」と判断した。
小貫芳信裁判長は補足意見で、「地裁は公判前手続きの段階で、アリバイの具体的な内容を明らかにさせるべきだった」と異例の注文をつけた。
1、2審判決によると、被告の男(74)は2012年、和歌山市内で自動車との接触事故で負傷したように装い、治療費をだまし取った。同小法廷は、違法な質問制限は有罪認定には影響しないとして被告の上告を棄却。懲役4年が確定する。
被告側は和歌山地裁での同手続きで、「犯行日時には自宅付近にいた」と曖昧なアリバイを主張。公判の被告人質問で「知人の家にも行った」と詳しい行動を話そうとしたが、検察側が「公判前の主張から外れている」と異議を申し立て、地裁は質問を止めさせた。