村山元首相が安倍談話を危惧 「戦後70年の歩み無視」- 東京新聞(2015年5月19日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2015051902000144.html
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戦後五十年の一九九五年に「植民地支配と侵略」への「反省とお詫(わ)び」を盛り込んだ首相談話を発表した村山富市元首相(91)が十八日、戦後七十年にちなんで東京都内で講演した。安倍晋三首相が今年夏に発表する予定の七十年談話について「村山談話をできるだけ薄め、積極的平和主義を強調したいというのが本音ではないか」と批判した。
村山元首相は自民、社会、さきがけの連立政権で首相を務めた。当時、中国や韓国などを訪問して「戦争に対するけじめをつけないと不安や不信が残っていく」と感じ、「内閣としての方針を出す必要がある」と考えたという。
「その後、後継の内閣はすべて村山談話を継承すると世界に向かって約束し、定着している」と強調。少なくとも歴史認識の問題で中韓と問題は起きず、関係は良好だったと述べた。
一方、安倍首相については「第二次安倍内閣になってがらっと変わった。選挙に勝って自信を持ち、本音が出だした」と指摘。「侵略とか植民地という言葉を使いたくない。謝りたくないのだろう」との見方を示し、積極的平和主義についても「一度も戦争をしなかった七十年の歩みを無視して、また戦争を繰り返すのか」と批判した。
講演会は総評退職者の会が主催した。