平和への願い 有権者訴え-東京新聞(2014年12月15日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/gunma/20141215/CK2014121502000245.html
http://megalodon.jp/2014-1215-1307-15/www.tokyo-np.co.jp/article/gunma/20141215/CK2014121502000245.html

安倍政権の集団的自衛権の行使容認をめぐり、関連法案の制定に向けた動きが、衆院選後に加速する可能性がある。安全保障政策や、連動する特定秘密保護法の施行、さらに原発政策を懸念する声が有権者から上がっている。(杉原麻央、伊藤弘喜)

「今の日本は戦争ができる国に確実に向かっている。その流れをストップさせてほしい」。ドイツ人の夫と結婚し、玉村町で五歳と一歳の息子二人を育てている翻訳業ツッキー晶子さん(34)は国政に求める。

大学時代にドイツ留学し、街中で政治を話題にする人たちや日常的に行われるデモ活動に触れ、自国の政治に関心を持った。三年前の原発事故で世の中への不信感が募り、「原発はいらない」と声を上げ始めた。高崎市で七日にあったデモに家族四人で参加し、集団的自衛権の行使容認に対して「戦争はしてはいけない」と訴えた。秘密保護法についても「知らないうちに何かが決まるのは怖い」と不安を口にする。

日ごろから友人と集まったり、手作りの地産地消イベントを開いたりして、政治への疑問や思いを伝えている。「はっと気付いて、行動してくれる人が一人でも増えたらうれしい」

   ◇

前橋市の南橘地区九条の会事務局長の浅尾剛さん(70)は「集団的自衛権の行使容認で憲法九条がなし崩しになっている。自衛隊を米軍の先兵にさせてはならない」と力を込める。

危機感に駆られ、同会は車に「戦争させない」「集団的自衛権の行使容認反対」とうたったポスターや、憲法九条の条文を書き写したパネルを設置し、三日から連日、市内を回った。九条がノーベル平和賞候補に挙がったことに触れ、「九条は世界の宝。来年こそ受賞を目指そう」とマイクを通して訴えた。

衆院選については、小選挙区制では死に票も多いことから、「議席獲得数がそのまま世論というわけではない」とクギを刺した。