有権者の声 「市民の手で憲法を守る」「脱原発を進めて」-東京新聞(2014年12月15日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/saitama/20141215/CK2014121502000230.html
http://megalodon.jp/2014-1215-1307-48/www.tokyo-np.co.jp/article/saitama/20141215/CK2014121502000230.html

平和憲法を守る。脱原発を実現させる。格差社会をなくす−。県内で草の根の活動を続ける人たちに、一票に託した思いを聞いた。

「来年は戦後七十年の節目なのに、長年守り続けた平和憲法自民党に捨てられてしまうのでは」と危惧するのは、護憲活動などに取り組む草加市の市民団体「山猫くらぶ」代表の倉橋綾子さん(67)。平和憲法の存続を願い一票を投じた。安倍首相はアベノミクスの是非を最大の争点に掲げたが、「憲法改正にあえて触れなかった印象がある。今後、改正に向けやりたいようにやるのかもしれないが、市民の手で憲法を守る活動を続けたい」と力強く話した。

原発の是非を問う住民投票の埼玉県内での実現を目指している「原発埼玉県民投票準備会」メンバーの田村磨弥(まや)さん(41)=蓮田市=は、「原発の代わりに自然エネルギーを増やしてほしい」との思いを一票に託した。「国政選挙には多くの争点がある。自民党が勝ったからといって、国民の大多数が原発推進の政策を支持したことにはならない。だからこそ、一人一人が原発について考える住民投票が必要だと今後も訴えたい」と力を込めた。

生活困窮者の支援活動に取り組む「反貧困ネットワーク埼玉」代表の藤田孝典さん(32)=越谷市=は「貧困にあえぐ若者や子育て世代の人らは増えており、格差是正を進めてほしいと願って投票した」と話した。その上で「アベノミクスによる経済成長の実現だけでは不十分。低所得者の家賃助成制度導入や、高所得者所得税率を高めるなどして、富を公平に分配する必要がある」とくぎを刺した。