<安倍政治 2年を問う(下)> 原発-東京新聞(2014年11月25日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2014112502000132.html
http://megalodon.jp/2014-1126-0922-16/www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2014112502000132.html

問題は安全性。首相は、規制委の審査によって再稼働に求められる安全性は確保されていると説明するが、規制委の田中俊一委員長は「リスクがゼロということはない」。想定外の事態が起きる可能性は否定できないのに、かつての「安全神話」に戻りつつある。

首相は東京五輪招致がかかった昨年九月の国際オリンピック委員会(IOC)総会で、汚染水漏れについて「状況はコントロールされている」と発言した。しかし現実には、建屋地下の汚染水が海に流出するのを止める作業が難航。建屋と地下トンネルの接合部を凍らせる「凍結止水工事」は断念に追い込まれ、解決のめどは立たない。

  • 原発の発電コストも問い直されている。

政府の試算では一キロワット時当たり八・九円だが、公益財団法人「自然エネルギー財団」が原発事故を踏まえて事故対策費などを計算すると、一四・三円。石炭火力や液化天然ガス(LNG)火力より高く、優位性は失われる。

今年は、電力の使用量が最も増える夏を、福島の事故後初めて原発ゼロで乗り切った。省エネ機器の普及と、節電意識の浸透が大きい。再稼働を急ぐ政府の方針と裏腹に「原子力に依存しなくてもよい経済・社会」が実現しつつある。

それでも原発依存に回帰するのか、ブレーキをかけるのか。重大な岐路に立つ。 (荒井六貴、安藤恭子

参考)

<安倍政治 2年を問う(中)> 安全保障・憲法-東京新聞(2014年11月24日)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2014112402000123.html
http://megalodon.jp/2014-1124-1443-00/www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2014112402000123.html


<安倍政治 2年を問う(上)> アベノミクス・くらし-東京新聞(2014年11月23日)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2014112302000202.html
http://megalodon.jp/2014-1124-1446-21/www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2014112302000202.html