市民感覚 阻害の恐れ 「量刑の公平性重要」評価も-東京新聞(2014年7月25日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014072502000153.html
http://megalodon.jp/2014-0725-1005-52/www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014072502000153.html

元東京高裁判事の門野博・法政大法科大学院教授は「他の裁判との公平性の大切さを裁判員に十分示した上で評議や判断を行うよう、裁判官にメッセージを送った判決だ」とみる。その上で「裁判員裁判の結論でも、控訴審や上告審で重大な問題があると思えば、適切に是正しなければならない」と話す。だが、市民感覚を取り入れた判決を、プロの裁判官が「修正」することが当たり前になれば、裁判員制度は骨抜きになる。


裁判員制度の制度設計に携わった四宮啓(しのみやさとる)・国学院法科大学院教授も、今回の判決の影響で、先例重視の流れが強まらないかと心配する。「量刑にも民意を反映させるのが制度の趣旨。評議で裁判官が量刑傾向を説明する際は、先例重視に傾かない運用が求められる。説明によって裁判員の自由な意見表明が阻害されてはならず、国民意識から乖離(かいり)してはいけない」としている。