集団的自衛権これからの焦点 (4)参戦理由 秘匿の恐れ-東京新聞(2014年7月9日)

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集団的自衛権の行使を決めた根拠の情報が公開されなければ、国民は自衛隊派遣の是非を検証できない。

二〇〇三年に始まったイラク戦争では、米国などが開戦の大義名分にした大量破壊兵器が見つからず、戦争の正当性が問われた。政府はイラク特別措置法を成立させ、自衛隊を派遣したが、大量破壊兵器の情報が誤りだったとわかった後も、特措法を改正して自衛隊の派遣期間を延長した。当時の小泉、安倍政権は開戦支持を過ちだと認めず、説明責任を果たさなかったが、国会審議で問題点は明らかになった。

集団的自衛権を行使するための関連法が成立すれば、政権は新法をつくることなく行使できるようになり、国会審議を省くこともできる。

秘密保護法が施行されれば、政府は今以上に不都合な情報を隠すことができる。大義の疑わしい戦争への自衛隊派遣を決めたとしても、国民への説明が置き去りにされる恐れは一段と強まる。