許されない「憲法泥棒」慶応大・小林節名誉教授-カナロコ(2014年5月29日)

http://www.kanaloco.jp/article/71855
http://megalodon.jp/2014-0529-1039-50/www.kanaloco.jp/article/71855

そして、現在の政治家に共通する憲法軽視の姿勢である。

「かつては敗戦の体験から憲法が政治家の生き方を縛っていた。その後、私も含め憲法学者がきちんとした憲法教育をしてこなかった。語られてきたのは解釈学ではなく、スローガンとしての9条ばかり。その結果、何となく平和主義の憲法があるけれどよく分からない、分からないから歯止めにならないという事態に陥った。政治家も大衆も皆、そうだ」

いま計画がある。安保法制懇に対抗し、解釈改憲反対派の識者による「国民安保法制懇」を立ち上げ、論陣を張っていこうというものだ。阪田雅裕・元内閣法制局長官、柳沢協二・元内閣官房副長官補、長谷部恭男・早稲田大教授らが名を連ねる。「私的な組織だが、安保法制懇だって首相の私的諮問機関。こちらは質と正当性で凌駕(りょうが)していく」。怒れる憲法学者は、ただ怒っているだけではない。