最高裁は捜査官のリークを肯定するのか-ビデオニュースドットコム(2014年3月29日)

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郵便不正事件で無罪となった元厚労省局長の村木厚子さんが、検察による報道機関へのリークによって社会的名誉を傷つけられたとして起こしていた国家賠償訴訟

報道機関による捜査情報のリークは、身柄が拘束されて反論ができない被告を追い込む要­素や、本来であれば被疑者に味方するはずの証人の証言にマイナスの影響を及ぼすなど、公正な刑事裁判を妨げる恐れがある。また、そもそも誰が言ったかも明らかにならないリークでは、事実と異なる情報がリークされ報じられても、誰にも責任が及ばないため、虚偽の情報や誇張された情報が報じられることが多い。リークの垂れ流しが冤罪を生みやすい土壌を作っている面があることも否定できない。

今回の決定では、最高裁の判決がリークの正当性を認めたのではなく、村木さんの主張ではリークがあったことが証明されていないとする高裁判決を支持したものに過ぎないということは踏まえておく必要があるだろう。しかし、最高裁が支持した高裁判決は、リーク­の存在を証明するためには、事実上リークをした捜査官の名前が特定されていることを条件としていることから、事実上、リークを容認したとも受け止められる内容で、問題が多い。