秘密保護法 言わねばならないこと(13) 悪法縛る手だてを 社会学者 上野 千鶴子氏-東京新聞(2014年2月4日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/feature/himitsuhogo/iwaneba/list/CK2014020402100005.html
http://megalodon.jp/2014-0204-1130-33/www.tokyo-np.co.jp/article/feature/himitsuhogo/iwaneba/list/CK2014020402100005.html

情報公開では米国の方が先進的。すべての公文書を公開する原則がある。六十年公開で延長も可、廃棄処分も可という秘密保護法は論外だ。公文書は文字通りパブリックのもの。すべての行政情報は聖域なしに歴史の検証にさらされるべきだ。

施行までに第三者機関を設置するというが、所詮(しょせん)ほころびを取り繕うだけ。政権交代しても自民党時代の内閣官房機密費の使途を民主党政権は追及しなかった。自民党政権に代わったときにも、民主党政権時代の使途を追及しない。「武士の情け」だろうか。これでは特定秘密の検証でもなれ合いになってしまうのではないか。

秘密保護法廃止への運動を続けるしかない。少なくとも秘密の延長と廃棄の規定は削除すべきだ。そして、秘密保護法の上位法として公文書管理法や情報公開法をしっかり改正すれば、悪法を縛ることができる。