映画『ハンナ・アーレント』に見る・感情の回復と問題の本質的解決をいかに両立するか- ビデオニュースドットコム (2014年01月11日)

http://www.videonews.com/news-commentary/0001_3/003126.php

原発廃止問題を争点とする都知事選、安倍首相の靖国参拝、映画『ハンナ・アーレント』について


ハンナ・アーレント』オフィシャルサイト
http://www.cetera.co.jp/h_arendt/

この映画は、600万人とも言われるユダヤ人を強制収容所に送った際の輸送責任者だっ­たルドルフ・アイヒマンの裁判を傍聴したユダヤ人哲学者アーレントが、雑誌『ニューヨ­ーカー』に寄稿した記事が原作。アイヒマンを「凡庸の悪」に過ぎなかったと評価する一­方で、ナチスに協力したユダヤ人指導者たちにも責任の一端があったと指摘したことで、アーレントユダヤ人社会から裏切り者扱いされ、激しい批判に晒された様子が描かれている。

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自身が収容所を経験しているアーレントは、「起こってはならないことが起こってし­まった」ことを前提に、「なぜ人間にあのような行為が可能であったのか」「それを繰り­返さないためにどうすればいいか」を深く思索する中での彼女なりの問題提起だった。

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人間である以上感情の回復は必要だ。しかし、それを優先するあまり、長い時間が経って­しまえば、問題は風化し、再発を防ぐための正当な手立てが取りにくくなるのも事実だ。­われわれは感情の回復問題をどう克服すればいいのか、どうすれば感情の回復を図った上­で、問題の再発を防ぐ手立てをとることができるのか、

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二度と全体主義の悲劇を繰り返したくない、その因果性がはっきりすれば、解決はある。

しかし、感情的な回復は、いつも複数ある。
スピードが早過ぎると、社会の適応限界がある。時間をかける必要がある。