憲法96条改正論 ハードル下げる危うさ-東京新聞(2013年5月10日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013051002000151.html
http://megalodon.jp/2013-0510-0955-31/www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013051002000151.html

自民党など改憲派は「世界的にも改正しにくい」と主張するが、三分の二以上という改正要件は国際的に妥当な基準だ。

米国は連邦上下両院の三分の二以上の賛成に加え、四分の三以上の州議会の承認が要る。ドイツも両院の三分の二以上の賛成が必要だ。改正要件が厳格な「硬性憲法」は民主主義国家の主流である。

改正を繰り返す他国に比べ、日本が改正に至らなかったのは要件の厳しさではない。憲法を変えるよりも変えないことによる国益の方が大きいと、先人が判断したからにほかならない。

もし改正が必要という政党があるのなら、その中身を国民に堂々と訴え、衆参両院で三分の二以上の議席を得る王道を歩むべきだ。

改正の中身を棚に上げ、手続きだけを先行して変えるような邪道にそれては、決してならない。