東電、再浄化の方針説明=放射能基準超えの処理水−福島第1 - 時事ドットコム(2018年10月1日)

https://www.jiji.com/jc/article?k=2018100101083&g=soc
http://archive.today/2018.10.02-133954/https://www.jiji.com/jc/article?k=2018100101083&g=soc

東京電力は1日、福島第1原発事故で発生した放射能汚染水のうち、浄化装置を通した水の約8割に当たる約75万トンに、環境中に出す場合の基準値を超える放射性物質が含まれていたことを資源エネルギー庁の小委員会に報告し、改めて浄化する方針を説明した。
小委は、浄化装置で取り除けないトリチウムを含む水の処分方法や、風評被害対策を検討している。基準値を超える水については一部報道が先行し、8月の公聴会で「トリチウム以外は除かれているという議論の前提が崩れた」などの意見が参加者から相次いでいた。
1日の会合では、委員からも「今回のような説明をなぜ今までしなかったか」といった質問が出た。東電幹部は「われわれと委員や国民で、意識や関心度にずれがあった。反省材料としたい」と釈明。小委の山本一良委員長は、再浄化が議論の前提になるとして、「しっかり取り組んでほしい」と求めた。

玉城新知事に望む ノーサイドで課題解決を- 琉球新報(2018年10月2日)

https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-812259.html
http://archive.today/2018.10.02-051424/https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-812259.html

知事選が終わった。「ノーサイド」だ。もとより県民に敵、味方の区別はない。玉城デニー新知事は、対立陣営との間にしこりを残さず、全県民の代表として山積する諸課題に取り組んでほしい。
振り返れば、2013年に政府に提出した垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの配備撤回と普天間飛行場の閉鎖・撤去を求める建白書は県議会、全市町村、全市町村議会などの連名だった。
12年の衆院選では、西銘恒三郎国場幸之助両氏を含む自民党の県選出・出身衆院議員も全員が「普天間飛行場の県外移設を求める」と公約していた。党幹部から辺野古移設を容認するよう促されるなどして翻意している。かつては玉城氏と方向を同じくする時期があった。
公明党県本は党本部と一線を画し、普天間飛行場の県内移設に反対する立場だ。今回の知事選では、基地問題だけでなく総合的な判断から相手候補を推薦したという。玉城氏と共同歩調を取る余地は十分にあるだろう。
本土の側が沖縄に分断の種を持ち込んでいることがよく分かる。
沖縄の面積は国土の0・6%にすぎない。そこに在日米軍専用施設面積の70%が集中している。負担軽減のため、普天間飛行場を返還する代わりに、新たな基地を名護市に造ると政府が決めた。なぜまた県内なのか。
沖縄は、太平洋戦争で本土防衛の時間稼ぎに利用され、国内で唯一、おびただしい数の住民を巻き込んだ地上戦が行われた。住民の4人に1人が犠牲になっている。
沖縄を占領した米軍は、銃剣とブルドーザーによって強制的に土地を接収した。今に続く広大な米軍基地はいや応なしに造られた。
普天間飛行場がなくなったとしても嘉手納基地をはじめ広大な基地は依然として残る。普天間の返還は、抱えている負担の大きさから見ればささやかな要求でしかない。
小野寺五典防衛相は「辺野古移設が唯一の解決策である」と繰り返している。果たしてそうだろうか。
石破茂元防衛相が指摘したように、1950年代に本土から沖縄に海兵隊が移ったのは日米が反基地運動を恐れたからだ。政治的に解決できる問題といえる。
玉城氏は辺野古の新基地建設を巡り国と協議する考えを示した。菅義偉官房長官は会う用意があるという。
安倍晋三首相は4年前、知事に就任したばかりの翁長雄志氏との面会を4カ月も拒み続けた。新基地反対の強い県民意志が再び示されたことで、聞く耳を持たない姿勢を改めるのなら、歓迎したい。
民意をバックに、玉城新知事が求める普天間返還と新基地建設の断念は、決して法外な要求ではない。県の埋め立て承認撤回に対し、法的対抗措置ではなく、県と協調する選択肢を模索してほしい。

(玉城氏への期待)持ち味生かし希望語れ- 沖縄タイムス(2018年10月2日)

http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/323926
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知事選で当選した玉城デニー氏(58)は、ラジオのパーソナリティーを務めていたこともあって、弁舌がさわやかで、とにかく明るい。
選挙中、高い台に上がらず、地べたで有権者と同じ目線で語りかけ、ハイタッチをしたり、抱きあったりした。
テレビで「当確」が出たときの、あのカチャーシーの身のこなしは見事だった。
ロックが大好きでカチャーシーも踊れる知事は過去にはいない。
屋良朝苗、平良幸市、西銘順治大田昌秀、稲嶺恵一、仲井真弘多翁長雄志と、復帰後の歴代知事の名を並べたとき、玉城氏の異色ぶりが際立つ。新しいタイプの知事の誕生だ。
玉城氏の選挙運動にかかわった沖縄国際大学の4年生(22)は、選挙中盤から「この人の人柄なら勝てる」と確信を持ったという(1日付本紙社会面)。
沖縄タイムス朝日新聞社琉球朝日放送が投票日当日の30日、共同で実施した出口調査によると、無党派層の70%、女性の61%が玉城氏に投票していたことが分かった。
期日前投票でも、無党派層の7割以上が玉城氏に投票していた。
さまざまな選挙情報が飛び交う中で、実際には玉城氏に強い追い風が吹いていたのである。8万票という予想外の大差で当選したことが玉城氏の政策推進力になるだろう。
組織の固定票と違って無党派層の期待は、取り組み次第では失望に変わるのも早い。持ち味を生かし、「希望」を語ってもらいたい。

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6月23日の慰霊の日。糸満市で開かれた沖縄全戦没者追悼式で、翁長雄志知事は安倍晋三首相を前に平和宣言を読み上げた。
「『辺野古に新基地はつくらせない』という私の決意は県民とともにあり、これからもみじんも揺らぐことはありません」
玉城氏は、志半ばで病に倒れた翁長氏の遺志を引き継ぐことを明言している。
4日に知事に就任する玉城氏が、行政の責任者として真っ先に直面するのは、辺野古の新基地建設問題である。
県は8月末、埋め立て承認を撤回した。工事は止まったままだ。政府は裁判所に対し、執行停止を申し立て、司法判断に基づいて工事を再開する方針である。
県としては、司法の場で撤回の正当性を主張していくことになるが、司法決着とは別の土俵を県が自ら提起する必要がある。

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県議会では辺野古埋め立ての賛否を問う県民投票条例案が審議されている。県民投票によってあらためて、埋め立ての正当性を問う。その意義は決して小さくない。
翁長氏は、命を削ってこの問題に取り組んだが、県と政府の対立の構図を克服し、問題解決の道筋を示すまでには至らなかった。
過去の経緯を踏まえ、どのように次の段階に踏み出すか。過去の取り組みの縮小再生産では県民は納得しないだろう。ここでも新しいアプローチが必要だ。

<金口木舌>新知事に贈る言葉 - 琉球新報(2018年10月2日)

https://ryukyushimpo.jp/column/entry-812260.html
http://archive.today/2018.10.02-051942/https://ryukyushimpo.jp/column/entry-812260.html

県知事選投開票日の3日前、読者から電話をいただいた。事実上の一騎打ちを演じた候補者2人が18歳だったころを振り返った本紙の記事を読んで心が癒やされたという

▼紙面に載った両候補の写真は初々しく、魅力的だ。「2人とも当選すればいいのにね。政府のせいで県民が対立してしまって」と話す電話の主。笑っているようだが、その口調から悲しさが伝わってきた
▼選挙のたび、県民は重い選択を突き付けられてきた。誹謗(ひぼう)中傷に心を痛めつつ投票所に赴いた人もいよう。かなうことのない「2人当選」は、うちなーんちゅの切ない願いにも聞こえた
▼知事選で県民は「新基地ノー」の意志を示した。ネット上のコメント欄には早くも「沖縄は基地固定化を選んだ」「振興策を止めろ」という心ない言葉が並ぶ。県民はこれからも、沖縄を傷つける無関心や侮蔑(ぶべつ)と向き合わねばならない
▼新知事が4日に就任する。順風満帆な航海とはいくまい。でも、逆風の中をヨットが進むことをよく知っているに違いない。沖縄の戦後史にも関わる困難な環境を生き抜いた人を、県民は新知事に選んだ
ひめゆり学徒隊の引率教師だった仲宗根政善さんは日記の中で沖縄の政治家の苦悩を「塩」に例え、「塩がなければ、沖縄はたちまち腐り、沖縄ではなくなってしまう」と記した。この言葉を新知事に贈りたい。

自分は「私小説作曲家」 岡林信康、デビュー50年記念のアルバム - 東京新聞(2018年10月2日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/entertainment/news/CK2018100202000161.html
https://megalodon.jp/2018-1002-1416-01/www.tokyo-np.co.jp/article/entertainment/news/CK2018100202000161.html

一九六八年に「山谷ブルース」でデビューし今年で五十周年を迎えた岡林信康が、歩みをたどるセルフカバーアルバム「森羅十二象」を出した。収録の十二曲は、いずれも今の時代に響く歌ばかりだ。「フォークの神様」と呼ばれた岡林は、自身の歌を「ある種の普遍的なものに触れているのかもしれない」と語る。 (南拡大朗)
「俺が書いたん違うかも分からん、何や知らんが書けたんだ、というものが残っている。いいもの書いたぞ、という歌に限って大抵だめ。そんなもんですわ」
こうして生き残った曲は今回、山下洋輔矢野顕子サンボマスターといった多彩なミュージシャンにアレンジを委ねた。彼らとの共演で新たに歌が生まれ変わり、喜びもにじみ出る。
自分のことは「創作の人じゃない」と話す。「ドキュメンタリーというか私小説(の作家)というか。五十年たってもこの歌こういう意味あったんか、こういう味あったんかと言って聴いてもらえるんは、もともと“作っていない”からだと思う」と明かす。
今年七十二歳になり、三年近くかかった全国八十カ所の弾き語りツアーを春に終えたばかり。ギター一本で二時間のステージは衰えを直視せざるを得ず「簡単やと思っていたけれど、こんなにしんどいこととは」と正直に言う。ただ「年を取るのは、粋がって若者のように頑張ることやない。この旅のおかげで分かったことやね」とも話す。
そんな姿は、長年の畑仕事と関係がありそうだ。「反体制のシンボル」となり人気絶頂だった七一年、突然山村で隠とん生活を始めた。以来、短期間の中断を挟みながら四十年ほど続けている。
「錯覚を許してくれないな、農作業は。若い時に一日でできたことが三日も四日もかかる。でもそれで卑屈になるんじゃなくて、三日かけてやりゃええやんか、ということです。なんぼ岡林信康でも特別じゃないよ、と。それがいい」

改憲にらみ側近シフト 総務会長・加藤氏 改憲・下村氏 選対・甘利氏 - 東京新聞(2018年10月2日)


http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201810/CK2018100202000126.html
https://megalodon.jp/2018-1002-1417-27/www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201810/CK2018100202000126.html

安倍晋三首相(自民党総裁)は2日の党役員人事で、党の改憲論議で取りまとめ役となる総務会長に加藤勝信厚生労働相(62)をあてる方針を固めた。党憲法改正推進本部長に下村博文・元文部科学相(64)を、選挙対策委員長甘利明・元経済再生担当相(69)をそれぞれ起用する。党関係者が明らかにした。首相は総裁任期最後の3年間で改憲を実現するため、重要ポストに最側近や盟友を充てる。(篠ケ瀬祐司)
加藤氏は一億総活躍担当相や厚労相を歴任した。首相が主張する九条改憲などを、他党の改憲勢力との調整を経て改憲原案として国会に提出するには、総務会の了承を得る必要がある。党内には首相の考えに否定的な議員もおり、側近を総務会長に据えてにらみをきかせるとみられる。
下村氏も首相側近。改憲を急ぐ首相の意向を直接、党改憲案の最終的な取りまとめに反映させる狙いがある。下村氏が憲法改正推進本部の幹部会入りしたのは昨年六月。首相が九条改憲案を示した直後だった。
ただ、学校法人「加計(かけ)学園」を巡り、下村氏の事務所が学園側から計二百万円をパーティー券代として受け取るなど、「政治とカネ」の問題が国会で取り上げられてきた。
甘利氏は麻生太郎副総理兼財務相と並ぶ、首相の盟友。経済再生担当相としてアベノミクスの推進役を務め、党総裁選では安倍選対の事務総長を務めた。改憲実現には来夏の参院選で勝利し、改憲勢力で三分の二の議席を維持する必要がある。参院選での勝利は至上命令で、盟友を起用する。
甘利氏は金銭授受問題を受けて、二〇一六年一月に経済再生担当相を辞任。その後は病気療養を理由に約四カ月、国会を欠席した。