首相自ら辞書引かず「そもそも」答弁で政府 - 東京新聞(2017年5月26日) 

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2017052601001611.html
https://megalodon.jp/2017-0526-2246-04/www.tokyo-np.co.jp/s/article/2017052601001611.html

政府は26日の閣議で、「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ組織犯罪処罰法改正案の国会答弁で安倍晋三首相が引用した「そもそも」の語意について「首相が自ら辞書を引いて意味を調べたものではない」とする答弁書を決定した。首相が「辞書で調べたら『基本的に』という意味もある」と答弁して反論した経緯がある。
民進党初鹿明博衆院議員の質問主意書に答えた。
(共同)

(政界地獄耳)首相の詭弁も限界 - 日刊スポーツ(2017年5月26日)

http://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/1829776.html
http://archive.is/2017.05.26-012624/http://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/1829776.html

★政治部も社会部も政権に沈黙し、メディアのチェック機能が働かなくなっていたのではないかと思っていた。首相・安倍晋三憲法改正について「読売新聞を熟読して欲しい」と言ったが、その読売は前文科事務次官前川喜平が出会い系バーに出入りしていたと報じた。永田町では日本一のクオリティーペーパーを「党の機関紙か官報ではないか」とやゆされる始末。読売は官邸に利用され、記者もそれで良しと軍門に下ったのかも知れないが、朝日新聞加計学園問題では追及の手を強める。
官房長官菅義偉が「怪文書」と一蹴した内閣府から文科省に「総理のご意向」などと伝えられたと記された文書を前川は自らが担当課から説明を受けた際に示されたと証言。同時に官庁から当時の内部関係文書がいろいろと出始め、官僚たちも官邸の意向を忖度(そんたく)することを乗り越え、前川に続いた。これが本来の三権分立と報道の独立性なのだが、情報と権力を握る官邸に逆らいにくい状況が続いていたのかも知れない。
共謀罪に懸念を示す国連特別報告者・ケナタッチを「個人」のものとはねつけたが、公務員の随行を5人も付ける首相夫人は「私人」と閣議決定した。その共謀罪は国連などの条約の批准が必要だから法制化が必要と説き、成立しないと「東京五輪が開催できないかも」(首相)と脅かしたが、その詭弁(きべん)も限界に達している。政界では森友学園前理事長・籠池泰典の逮捕説が流れている。誰もが口封じと感じるが、こんな社会がまかり通らぬよう権力と戦うのがメディアの役割だったはず。政界、官界、メディアの正常化を強く求める。(K)※敬称略

共謀罪は「プライバシー権侵害」 憲法審で委員から「違憲」 - 東京新聞(2017年5月26日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201705/CK2017052602000135.html
http://archive.is/2017.05.26-010007/http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201705/CK2017052602000135.html

衆院憲法審査会は二十五日、「新しい人権」などをテーマに審議を行った。衆院を二十三日に通過した「共謀罪」の趣旨を含む組織犯罪処罰法改正案に対し、野党の委員からは「(新しい人権の一つとされる)プライバシー権の侵害で、違憲立法」などの批判が相次いだ。 
民進党山尾志桜里氏は、犯罪の共謀を処罰することは「包括的なプライバシー情報の収集なしには実現できない」と指摘。「共謀罪」法案について「プライバシー権の核心を侵しかねない」と訴えた。
共産党の大平喜信氏も、「共謀罪」法案について「表現の自由をはじめ、憲法が保障する国民の権利を幾重にも侵害する」と指摘。プライバシー権に関する国連特別報告者ケナタッチ氏が法案に懸念を示したことに触れ「安倍政権は、この指摘を重く受け止めるべきだ」と求めた。
また、民進党辻元清美氏は、学校法人加計学園獣医学部新設を巡る記録文書問題について「(新しい人権の)『知る権利』以前の問題。政府の隠ぺい体質そのもの」などとして、憲法審として調査を求めた。
一方、共産党赤嶺政賢氏は、自民党が年内にも改憲案をまとめる作業を始めたことについて「憲法審査会の議論は無視して、安倍晋三首相主導で改憲案をまとめようとしている」と批判。自民党中谷元氏は、憲法審での議論は「首相に縛られるものではない」と強調した。 (北條香子)

教育無償化で各党隔たり 公「慎重に」 民・共・社「改憲しなくても可能」 - 東京新聞(2017年5月26日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201705/CK2017052602000133.html
http://archive.is/2017.05.26-005754/http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201705/CK2017052602000133.html

二十五日の衆院憲法審査会は、安倍晋三首相(自民党総裁)が改憲の検討項目に挙げた教育無償化を巡っても議論が交わされた。自民党日本維新の会憲法に明記する意義を強調したのに対し、与党の公明党は慎重な意見を表明し、隔たりが浮かび上がった。
教育無償化は、経済的理由で大学に進学できないといった教育格差を解消するため、「義務教育は無償とする」とだけ記した現行憲法の規定を見直す案。自民党は年内にもまとめる改憲案で、自衛隊の存在明記、国会議員の任期延長とともに検討対象としている。同党の改憲草案は教育無償化に触れておらず、党内の意見はまとまっていない。
この日の憲法審で、自民党の船田元氏は「教育無償化に改憲は必要ないという指摘もあるが、無償化を明記することで、政府に実現を促す力になる」と指摘。
維新の足立康史氏は、教育無償化は党の改憲原案の柱と説明し「教育費は大学まで国が面倒をみるという明確なメッセージを発することが、少子化対策の肝だ」と強調した。
これに対して公明党の斉藤鉄夫氏は、大学に進学しない若者も多いことを挙げ「高等教育の無償化が適切かどうかは慎重な議論が必要」と話した。改憲発議には衆参両院で三分の二以上の賛成が必要だが、現在の議席数では、公明党の賛成がないと改憲勢力は三分の二に達しない。
民進党山尾志桜里氏は、まず法律での対応で財源などを検討するよう主張。社民党照屋寛徳氏も改憲は不要とし、共産党の大平喜信氏は「改憲ありき」として首相を批判した。 (清水俊介)

加計学園問題「行政ゆがめられた」 前文科次官、文書「確実に存在」 - 東京新聞(2017年5月26日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201705/CK2017052602000138.html
http://archive.is/2017.05.26-010115/http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201705/CK2017052602000138.html

安倍晋三首相の友人が理事長を務める学校法人「加計(かけ)学園」(岡山市)が系列大学の獣医学部を国家戦略特区に新設する計画を巡り、文部科学省前川喜平事務次官が二十五日、都内で記者会見し、「総理のご意向だ」などと内閣府から文科省に伝えられたことを示す記録文書について、「確実に存在していた。担当課から説明の際に見せられた」と証言した。獣医学部を新設する特区が認められたことについては、「極めて薄弱な根拠のもとで認められ、行政がゆがめられた」と指摘した。 
安倍首相の意向が文科省の政策判断に影響を与えた可能性が出ていたが、菅義偉(すがよしひで)官房長官が文書の存在を否定し、同省の省内調査でも確認できなかった。当時の同省事務方トップが存在を認めたことで、文書の信ぴょう性が高まった。前川氏は国会への証人喚問について「要請があれば応じる」とも明言した。
前川氏は会見で、民進党が入手した八枚の文書について、「昨年九月から十月に(獣医学部を担当する)専門教育課から報告を受けた際に受け取った。同課で作成し、幹部の間で共有されたことに間違いない」と述べた。
文書の中の「官邸の最高レベルが言っている」との記載について、「一番上なら総理、その次なら官房長官だと思う。もしそうなら気になることだと思った」と、自身の受け止めを振り返った。
獣医学部の新設は、文科省などが「獣医師の人数は足りている」などと反対して五十年以上も見送られてきたが、昨年十一月になって、安倍首相を議長とする国家戦略特区の諮問会議で決まった。
この経緯について「本来なら、農林水産省から獣医の人材需要への明確な見通しが示されるべきなのに、それは示されず特例を認めることになってしまった。極めて薄弱な根拠のもと認められた」と指摘。「大臣(松野博一文科相)からも懸念が示された」と証言した。

「加計学園」問題で新証言 もう怪文書とは言えない - 毎日新聞(2017年5月26日)

https://mainichi.jp/articles/20170526/ddm/005/070/126000c
http://archive.is/2017.05.26-005558/https://mainichi.jp/articles/20170526/ddm/005/070/126000c

もはや文書が確認できないという言い訳は通用しなくなった。
文部科学省前川喜平事務次官が記者会見し、学校法人「加計学園」(岡山市)が国家戦略特区に獣医学部を新設する計画で、「総理のご意向」などと記された文書が「確実に存在していた」と認めた。
前川氏は今年1月、天下りあっせん問題の責任を取り辞任している。
文書を巡っては、存在が示された17日に菅義偉官房長官が「誰が書いたものか分からない」などと述べ「怪文書」扱いした。さらに「首相から指示は一切ない」と関与も否定している。
文科省での調査を実施した松野博一文科相は「存在が確認できなかった」と発表している。
だが、前川氏の会見で、その主張は崩されたことになる。
前川氏は会見で、文書に関し、昨年秋に獣医学部新設を担当する専門教育課から説明を受けた際に受け取ったと説明した。「あったものをなかったとはできない」と政権の対応を批判した。改めて調査すれば明らかになるとも話している。
文科省の当時の事務方トップの証言で、問題の局面は変わった。
前川氏によると、既存の獣医学部でない構想であることや獣医師の需給動向を踏まえることなどの4条件がもともと閣議決定されていた。
ところが「特区で議論するのは(愛媛県今治市加計学園という共通認識で仕事をしていた」と述べ、まっとうな行政に戻すことができずに押し切られ、行政がゆがめられたと指摘した。
文書の存在がはっきりした以上、実際に「総理の意向」があったのか、内閣府側の「そんたく」だったのかが焦点になる。
前川氏は会見で、国会での証人喚問があれば応じる意向を示している。野党は、前川氏の国会での参考人招致や証人喚問を求めている。
だが、再調査について、菅官房長官は「文科省が適切に対応されるだろう」と述べるにとどめ、松野文科相は再調査に否定的な考えを繰り返している。与党は参考人招致などに反対している。
国会の場で、前川氏に証言してもらい、真相をはっきりさせなければ、疑問は解決しないだろう。

前次官の証言 国会の場で解明せよ - 朝日新聞(2017年5月26日)

http://www.asahi.com/articles/DA3S12956289.html?ref=opinion
http://archive.is/2017.05.26-005346/http://www.asahi.com/articles/DA3S12956289.html?iref=comtop_shasetsu_01

これでもなお否定し続けるのか。政権の姿勢は政治不信を深める以外の何物でもない。
安倍首相の友人が理事長を務める加計(かけ)学園の獣医学部新設をめぐり、文部科学省の前事務次官前川喜平氏が朝日新聞の取材に、「総理のご意向」などの記載がある一連の文書は本物だと証言した。きのうの記者会見でも同じ説明をした。
ところが菅官房長官怪文書扱いを変えず、さらには、今年発覚した文科省天下り問題を持ちだし、前川氏に対する激しい人格攻撃を始めた。
問題をすり替えてはいけない。事務方トップだった人物が「行政をゆがめられた」「圧力を感じなかったと言えばうそになる」と発言している。国家戦略特区という政権の目玉政策に重大な疑義が生じているのだ。
あの文書は何なのか。「ご意向」「官邸の最高レベルが言っている」とはどういうことか。
解明するのは、政府の、そして国会の責務である。にもかかわらず、野党が求めた前川氏の国会招致を自民党は拒否した。行政府をチェックするという、立法府に課せられた使命を放棄したふるまいだ。
文書の信頼性を裏づけるのは前川氏の話だけではない。元自民党衆院議員で日本獣医師会顧問の北村直人氏も、自身の発言として記録されている内容について「事実」と述べている。政府はこれにどう答えるのか。
官房長官は国家戦略特区を「規制の岩盤にドリルで風穴を開ける制度」だという。その意義はたしかにある。だが、獣医学部設置をめぐっては疑問点がいくつか浮上している。
全国の獣医学系大学の入学定員は40年間、930人に据え置かれてきた。それを160人増やす構想にもかかわらず、獣医師がどの程度不足しているのか、どんな人材が必要なのか、十分なデータも説明も示されないまま認可を求められた。前川氏はそう話している。
応募できる要件を「広域的に獣医師の養成大学がない地域に限る」としたことについても、内閣府には多くの疑問の声が寄せられていた。結果として、応募を検討していた他の大学は撤退を余儀なくされた。
そのときそのときの政権や政策への賛否はある。高度の政治判断が求められる場合も、もちろんあるだろう。しかしそれが人びとに受け入れられるのは、公正・公平な行政のルールが貫徹されていてこそだ。
このままほおかむりを続けることは許されない。国政に対する信頼の根幹がゆらいでいる。