共謀罪、一般人対象の余地「犯罪行う団体に一変の場合」 - 朝日新聞(2017年2月17日)

http://www.asahi.com/articles/ASK2J573WK2JUTIL02M.html
http://megalodon.jp/2017-0217-0934-59/www.asahi.com/articles/ASK2J573WK2JUTIL02M.html

犯罪の計画段階で処罰する「共謀罪」の要件を変え、「テロ等準備罪」を新設する法案をめぐり、法務省は16日、「正当に活動する団体が犯罪を行う団体に一変したと認められる場合は、処罰の対象になる」との見解を明らかにした。これまで政府は、「一般の市民は対象にならない」としてきたが、捜査当局の解釈や裁量によっては対象になることが明らかになった。
衆院予算委員会の理事懇談会で、法務省が文書を示した。法案はまだ国会に提出されておらず、「テロ等準備罪の具体的内容は検討中」と前置きしたうえで、対象となる「組織的犯罪集団」については「結合の目的が重大な犯罪などを実行する団体」という趣旨で検討していると説明した。
加えて、「もともと正当な活動をしていた団体」も、その目的が「犯罪を実行することにある団体」に一変したと認められる場合は、組織的犯罪集団に当たり得るとの見解を示した。

性質一変なら「普通の団体」も処罰 「共謀罪」政府統一見解 - 東京新聞(2017年2月17日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201702/CK2017021702000129.html
http://megalodon.jp/2017-0217-0941-52/www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201702/CK2017021702000129.html


共謀罪」と同じ趣旨で政府が創設を目指す「テロ等準備罪」について、法務省は十六日、衆院予算委員会理事懇談会で、普通の団体が性質を一変させた場合も、処罰対象の「組織的犯罪集団」になり得るという政府統一見解を示した。政府は東京五輪パラリンピックのテロ対策を強調しているが、テロ組織や暴力団などに限らず、市民団体や労組、会社なども対象となり得ることを事実上認めた形だ。 (山田祐一郎、我那覇圭)
法務省はこの日、「組織的犯罪集団」の定義について、「結合の目的が犯罪を実行することにある団体という趣旨で検討している」と説明。「もともと正当な活動を行っていた団体についても、目的が犯罪を実行することに一変したと認められる場合には、組織的犯罪集団に当たり得る」との考えを示した。例えば、基地建設反対の市民団体が工事車両を止めようと座り込みを決めれば、捜査機関が組織的威力業務妨害が目的の組織的犯罪集団と恣意(しい)的に認定する懸念がある。
安倍晋三首相はこれまで「一般市民が対象となることがあり得ないよう検討している」と説明。法務省の林真琴(まこと)刑事局長も一月三十一日の参院予算委員会で「そもそもの結合の目的が犯罪の実行である団体に限られる。普通の団体は除外される」と答弁していた。
一方、金田勝年法相は二月二日の衆院予算委員会で、普通の団体でも、犯罪を反復継続するなど性質が変わったと認められた場合に処罰対象となる可能性を否定しなかった。安倍首相や刑事局長と見解が分かれたため、民進党が政府の統一見解を求めていた。
日弁連共謀罪法案対策本部事務局長の山下幸夫弁護士は「犯罪行為を反復継続していなくても、一度でも犯罪に合意すれば、性質が一変したと判断され、組織的犯罪集団と認定される可能性がある」と指摘する。

(筆洗)壁はますます高くなりつつある - 東京新聞(2017年2月17日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2017021702000134.html
http://megalodon.jp/2017-0217-0941-29/www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2017021702000134.html

朝起きたら、わが家の外壁にペンキで絵が落書きされていた…という災難は、ご免こうむりたいが、それが英国の「落書き画家」バンクシー氏の仕業であれば、話は別である。
街角の壁に風刺の効いた絵を人知れず描き上げるこの人の落書きは、大変な人気がある。壁ごと切り取られた作品が競売にかけられれば、数千万円で落札されるほどなのだ。
正体は決して明かさず、世界各地に出没するこの人が、繰り返し創作の舞台に選んでいるのが、中東パレスチナだ。そこには、イスラエルが建設した巨大な分離壁がある。砲弾で穴だらけになった家の壁もある。
パレスチナの人々の絶望感が染み込んだような壁に、バンクシー氏はそこから逃れるためのはしごを描き、風船につかまって飛ぶ少女の姿を描いた。落書きで壁を壊そうとしたのだ。
だが今、その壁はますます高くなりつつあるようだ。パレスチナ国家を樹立し、イスラエルと平和的に共存させる「二国家共存」は中東和平への大切な道なのに、トランプ米大統領は「どちらでもいい」と言い放った。パレスチナに新たな絶望の壁をつくるような米政府の変身である。
バンクシー氏はかつて、パレスチナの壁に、こんな言葉を書き付けた。「強者と弱者の紛争から手を引けば、私たちは強者の側に立つことになる。中立になるわけではないのだ」。値千金の警句ではないか。

相模原市が検討の公民館使用料徴収に待った 「反対」要望や署名続々:神奈川 - 東京新聞(2017年2月17日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/kanagawa/list/201702/CK2017021702000174.html
http://megalodon.jp/2017-0217-0941-07/www.tokyo-np.co.jp/article/kanagawa/list/201702/CK2017021702000174.html

相模原市が検討する公民館の使用料徴収をめぐり、住民グループから反対の要望や署名の提出が相次いでいる。1月末には、市の非常勤職員でもある公民館館長らで構成する「市公民館連絡協議会」が無料の継続を求める要望書を提出。「受益者負担」を掲げる市に対し、住民らは「つながりの拠点に気軽に足を運べなくなる」と唱えている。 (井上靖史)
「公民館での体操などは高齢者らの健康維持の場。体操には大会議室を使わざるを得ず、一回で数千円も利用料がかかれば足が向かなくなる」。十六日、公民館を利用する団体でつくる大野南公民館利用グループ協議会(同市南区)の阿部京子代表(68)らは、野村謙一教育長に有料化反対の二千二百五十人分の署名を提出し、こう訴えた。
市内には三十二の公民館がある。市によると、運営経費は年間約六億円。市担当者は「社会保障関連経費も年々増えている。維持管理できないと、公民館を使えなくなる」と話し、昨年九月から有料化の住民説明会を開いてきた。
関係者によると、市が検討している使用料は、会議室などの広さに応じて一時間二百〜二千円ほど。住民の反対は強く、阿部さんは「有料化されれば利用者が、お金を払っているお客さんという意識に変わり、私たちの公民館という意識がなくなる」と懸念する。
反対の声は各地に広がっている。城山公民館(同市緑区)で油絵や水彩画を描くサークル「しろやま絵画」の長田宏治さん(63)は「公民館運営は通常の行政サービスでされるべきもの。使用料は税金の二重取りだ」と反対署名に取り組む。同市南区の鵜野森(うのもり)地区も自治会が反対署名に動く。
さらに、館長で組織する市公民館連絡協議会からも反対の声が上がる。館長らは地域の住民から選ばれ、選出後に市から非常勤特別職として運営を任される。一月に提出した要望書では、星が丘公民館(同市中央区)館長の奥山憲雄会長名義で「ほかに優先して削るべき経費があるのではないか、との声が多数ある」と指摘した。
市によると、県内でほかに公民館が無料なのは、平塚市茅ケ崎市厚木市伊勢原市葉山町。全国二十の政令市では千葉市さいたま市堺市。市は二十一日の市議会全員協議会で有料化を説明する予定だ。

「人を簡単に殺す、それが戦争」 益川さんと秩父の高校生らが対談:埼玉 - 東京新聞(2017年2月17日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/saitama/list/201702/CK2017021702000197.html
http://megalodon.jp/2017-0217-0940-42/www.tokyo-np.co.jp/article/saitama/list/201702/CK2017021702000197.html

ノーベル物理学賞を受賞した名古屋大特別教授の益川敏英さん(77)と、秩父地域の高校生たちの対談が、横瀬町の町民会館ホールであった。幼少期に太平洋戦争を経験した益川さんに、若者たちが研究や戦争、平和について活発に質問。約二百五十人の観客とともに今後の平和のありようを考えた。 (出来田敬司)
対談は、秩父地域で国際交流や平和活動を進める市民団体「秩父ユネスコ協会」が主催。秩父、皆野、秩父農工科学、自由の森学園の四校十二人が壇上で質問した。
冒頭、ノーベル賞の晩さん会の食事について問われた益川さんは「私はあまり食べることに興味はないが、トナカイの肉はおいしくいただいた」と吐露し、聴衆を笑わせた。
戦争体験に関する質問には「名古屋の自宅に流れ弾が降ってきた。不発弾だったが、爆発すれば大やけどしたか死んでいたかもしれない」と告白。「その後も朝鮮戦争インドシナ戦争の報道に触れ、戦争について考えてきた」と話した。
さらに、イラク戦争で米軍の女性兵士が捕虜の男性を裸にするなど虐待をした事件に言及し、「虫一匹殺せないような人が簡単に引き金を引ける。戦争とはそういう集団ヒステリー。絶対にあってはならない」と力を込めた。
第三次世界大戦が起きる可能性を問われると「大国は戦争の痛みを知っており、恐らく起きないだろう。ただ発展途上国が最終手段で武力を使う可能性はある。窮地に陥れることはしてはならない」と述べた。
戦争を知らない世代に向けてのメッセージとして、「私は素粒子を見たことがないが、存在するとは言える。戦争を体験していなくても、理性的に勉強すれば理解できる」と述べ、戦争を知ろうとする大切さを説いた。
会場では、対談のほかにも旧満州中国東北部)での極限生活や広島の被爆を題材にした朗読劇が披露され、高校生や観客らが平和の尊さをあらためて問い直していた。
対談に臨んだ皆野高二年の岡明音(あかね)さん(16)=深谷市岡部=は「飛行機から不発弾が落ちてきた話が印象に残った。戦争についてある程度分かっていたつもりだが、学ぶことはまだまだたくさんあると感じた」と話した。

東芝「解体」へ加速、虎の子の半導体も過半数売却へ - 週刊ダイヤモンド編集部(2017年2月17日)

(1/2)http://diamond.jp/articles/-/118385
(1/2)https://megalodon.jp/2017-0217-1124-43/diamond.jp/articles/-/118385

原子力事業で7000億円を超える損失を計上する東芝。今期末に債務超過を解消できず、東証2部に降格する情勢だ。元凶の原発事業を抱えたまま、稼ぎ頭の半導体事業は来期にも過半の株式売却に追い込まれることになった。“東芝解体”は想定を超えるスピードで現実化しつつある。(「週刊ダイヤモンド」編集部 村井令二)

(2/2)http://diamond.jp/articles/-/118385?page=2
(2/2)http://megalodon.jp/2017-0217-1502-57/diamond.jp/articles/-/118385?page=2
東芝社外取締役を務める経済同友会の小林喜光代表幹事は、14日の同社取締役会直後の記者会見で原発事業に関して「このような産業が一企業で成り立つのか考えなくてはならない」と述べ、民間企業が運営する是非を問い掛けた。
「悪い原発を残して、良い半導体を売る。これが果たして正しい経営なのか」。14日の取締役会で、ある社外取締役は呻いたが、東芝解体の流れを止めるすべは、誰にも見つけられていない。

福島2号機 サソリロボ調査失敗 溶けた核燃料に到達できず - 東京新聞(2017年2月17日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201702/CK2017021702000127.html
http://megalodon.jp/2017-0217-1449-43/www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201702/CK2017021702000127.html


東京電力は十六日、福島第一原発2号機の原子炉格納容器内に、サソリ型のカメラ付き自走ロボットを投入したが、圧力容器下の足場に到達する手前の堆積物で動けなくなった。回収もできず、内部に放置。調査は失敗した。
東電によると、ロボットは午前七時五十分ごろ、格納容器の貫通部(直径約十一センチ)から投入。長さ七・二メートルのレール上を渡って圧力容器下に行く予定だったが、レールにこびり付いた堆積物を乗り越えられず、目標地点にたどり着けなかった。午後三時すぎ、回収を断念し、遠隔操作用のケーブルを切断した。
ロボットの線量計では、レールの中央部分で毎時約二一〇シーベルトを計測。予備調査では、格納容器内で毎時六五〇シーベルトと極めて高い線量(推定)を計測しているが、それよりはやや下回った。
温度計では一六・五度を計測し、「溶け落ちた核燃料(デブリ)は十分に、冷却できている」(東電)とした。
予備調査では、圧力容器下の鉄製の足場で、デブリの熱で溶けたとみられる穴が見つかっていたが、今回の調査では再び見ることはできなかった。ロボットは二つのカメラで圧力容器下部や格納容器の底部を撮影し、線量分布なども調べる予定だった。予備機はない。

福島第一2号機内、「サソリ」ロボ立ち往生 手詰まりに - 朝日新聞(2017年2月16日)

http://www.asahi.com/articles/ASK2J5HG2K2JULBJ00L.html
http://megalodon.jp/2017-0217-0926-45/www.asahi.com/articles/ASK2J5HG2K2JULBJ00L.html

東京電力は16日、メルトダウン炉心溶融)した福島第一原発2号機の格納容器内に調査ロボット「サソリ」を投入したが、駆動部に堆積(たいせき)物が入り込むなどしたため動けなくなった。回収も断念した。サソリは圧力容器直下を撮影し、溶け落ちた核燃料の調査や取り出しに向けたデータを集める重要な役割を担っていた。格納容器内の環境は想像以上に悪く、今後の調査は具体的には決まっておらず手詰まりだ。
東電によると、サソリは16日午前8時ごろに格納容器に入り、7・2メートルある作業用レールを5メートル付近まで進んだが、駆動部が動きにくくなった。レールには堆積物がこびりついており、東電はこうした塊が駆動部に入り込んだとみている。
東電は、電気ケーブルを引っ張って堆積物が少ない場所までサソリを戻し、再び進ませたが完全に動けなくなった。この付近の放射線量は2分で致死量に達する毎時210シーベルトだった。9日に入れた別のロボットは、この付近を毎時650シーベルトと推定していた。
午後3時ごろ、回収を諦めて電気ケーブルを切断し、サソリを残したまま搬入口を閉じた。新たな調査をする場合の障害にならないようにレールの端に寄せたという。
東電は今回の調査で、サソリを圧力容器の下まで入れる計画だった。ここには溶け落ちた核燃料の可能性がある黒い塊が散乱しており、その線量を計測するほか、溶けた核燃料が穴を開けた圧力容器下部も撮影したいとしていた。
東電などは2018年度に核燃料の取り出し方法を決める計画だが、関係者は「サソリにはかなり期待していただけに、この結果はショックだ」と肩を落とした。
国際廃炉研究開発機構によると、福島第一原発1〜3号機の格納容器調査にかかる事業費は、14〜17年度で計約70億円。(富田洸平、川原千夏子)