小池都知事、会談した宇都宮氏の要望書に10政策 - 日刊スポーツ(2016年8月30日)

http://www.nikkansports.com/general/news/1702493.html
http://megalodon.jp/2016-0830-2103-26/www.nikkansports.com/general/news/1702493.html

東京都の小池百合子都知事(64)は30日、都庁で元日弁連会長の宇都宮健児氏(69)と会談し、同氏と同氏を支援する「希望のまち東京をつくる会」から要望書を受け取った。小池知事は宇都宮氏から「当選おめでとうございます」と言われると「ありがとうございます。(選挙戦で)ご一緒できれば、もっと中身のある議論ができたんですけど」と言い、笑みを浮かべた。
この日は一部で、11月7日に予定している築地市場中央区)から豊洲市場江東区)への移転を延期する方針を固めたと報じられた。小池都知事は、宇都宮氏から「移転に関してはいったん停止いただきたい」と言われると「私は、ずっと『立ち止まる』という言葉を使わせていただいている。昔…08年に築地に関して本を書いていて、そこに基本的な私のスタンスは書いた。そこから揺らいでいない。都知事選に出るから、立ち止まると言ったんじゃない。先生のご主張は参考になりました。また近々、発表したいと思います」と移転延期については否定しなかった。
宇都宮氏は会談後、小池都知事が会見の場と機会を設けたことを評価した。95年に地下鉄サリン事件が発生し、被害対策弁護団長を務めた際にも要望書を提出したことがあるが、都知事への直接の提出は実現せず、課長クラスの職員への実現にとどまったという。「都知事が直接、会われたのは初めてのこと。画期的」と評価した。
この日、宇都宮氏らが渡した要望書には、大まかに以下のような政策が書かれている。

  1. 都政改革本部は情報公開を徹底する
  2. 築地市場から豊洲市場への移転をいったん停止し、市場で働く関係者を含めた協議の場を早急に求める
  3. 東京メトロ銀座線青山一丁目駅視覚障害者の男性が線路に転落し、電車にひかれて亡くなった事故を受け、各鉄道会社にホームドアをつけるよう指導する
  4. 福島第1原発事故の被害を受け都内へ避難している方々の声を聞き、避難者が希望すれば現在の住居に住み続けるようにし、都営住宅への入居優先枠拡大
  5. 「待機児童ゼロ」は必要な予算をかけて着実に実施
  6. 子どもの貧困解決に向け、都独自の給付型奨学金の拡充の速やかな検討、実施と、義務教育段階の給食などの教育費無償化を進める
  7. 羽田空港増便により、都心部を航空機が低空飛行する問題については騒音、落下物、事故などの危険性への不安が出ている。危険性と不安払拭(ふっしょく)のための具体的措置を執るよう国側と交渉すること
  8. 米軍横田基地へのオスプレイの、17年からの配備に反対すること
  9. 都が整備を進めようとしている都市計画道路のうち、住民から強い反対や疑義が示されている建設計画はいったん凍結し、住民の理解を得ること
  10. 福島第1原発事故から5年が経過した現在も、都立公園や都内各学校の放射能の除染、測定について不安を訴えている人が多いので、しっかり対応を進めてほしい

経団連と同友会 政権との距離に開き - 東京新聞(2016年8月30日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/list/201608/CK2016083002000120.html
http://megalodon.jp/2016-0830-1318-19/www.tokyo-np.co.jp/article/economics/list/201608/CK2016083002000120.html

安倍政権との関係をめぐり、経団連経済同友会の姿勢の違いが際立ってきた。「政治と経済は車の両輪」と一体感を強調する経団連に対し、同友会は「両輪ではない」と一定の距離を保つ。経営者が将来の日本経済の姿や世界経済の動きについて議論した夏のセミナーや会見でも、両団体の立場の違いが表れた。 (中沢幸彦)
「日本はデフレ脱却、経済再生に向けてまさに正念場。政治が安定している今こそ、思い切った施策を打つべきだ」。経団連榊原定征(さだゆき)会長(東レ相談役最高顧問)は七月下旬に軽井沢で開かれた夏季フォーラムで安倍政権との連携を強調した。終了後の懇親会には自民党政調会長だった稲田朋美氏らが出席し、笑顔を交わした。
榊原氏は二年前に会長に就任したころから安倍政権との関係を「車の両輪」と例えてきた。米倉弘昌前会長時代にアジア外交での意見の相違から疎遠になった関係を改善。自民党への政治献金の再開をはじめ、三年連続の賃上げや国内の設備投資の強化を会員企業に呼び掛け、安倍政権の要望に応え続けた。その結果か、財界の宿願だった法人税の実効税率20%台への引き下げも実現した。
大企業が核になる経団連に対し、経営者が個人資格で入会する同友会は立場が異なる。今年、発足七十年を迎える同友会のモットーは「自由闊達(かったつ)」「政治からの独立」。代表幹事らの発言は事務方が作った原稿を読み上げたりせず、柔軟だ。
代表幹事の小林喜光(よしみつ)氏(三菱ケミカルホールディングス会長)は「経済の最大のリスクは(内外の)政治」と指摘。夏季セミナーや会見で「政治と経済は車の両輪ではない。立場が違う中で重なるところを一緒にやるのが(両者のあるべき)進め方だ」と言い切っている。
小林氏は企業と経済の国際化の下、「政治は極めてナショナリスティック(国家主義的)になってきた」と指摘。海外を含む株主を意識した経営が進む中、政治と近すぎることで国内事業にこだわりすぎ、収益拡大の機会を失うことを警戒している。
現在の経団連に対し、「首相は会長の上司か」(別の経済団体幹部)との批判や、「官邸との距離があまりにも近くなりすぎた」(元経団連幹部)との指摘も出ている。

刑務所に介護専門スタッフ…高齢受刑者の急増で - 読売新聞(2016年8月30日)

http://www.yomiuri.co.jp/national/20160829-OYT1T50103.html
http://megalodon.jp/2016-0830-1320-06/headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160829-00050103-yom-soci

政府は2017年度から、受刑者の高齢化が著しい全国32の刑務所・刑務支所に介護専門のスタッフを配置する方針を固めた。
介護を必要とする高齢受刑者の急増を踏まえた初めての措置で、刑務官らの負担を軽減する狙いがある。出所後の生活支援のため、社会福祉士も増員する方向だ。
介護専門スタッフは非常勤で、全国70の刑務所施設のうち、65歳以上の高齢受刑者が2割以上を占める32施設に1人ずつ配置する予定だ。介護人材が不足していることもあり、介護福祉士の資格がなくても、資格取得に必要な一定の研修を修了していれば勤務を認めることにした。政府は、17年度予算の概算要求に人件費として約6000万円を盛り込む。

福岡市、戦争展の後援取り消す 「展示に政治的主張」 - 朝日新聞(2016年8月29日)

http://www.asahi.com/articles/ASJ8Y6T7VJ8YTIPE021.html
http://megalodon.jp/2016-0830-1037-43/www.asahi.com/articles/ASJ8Y6T7VJ8YTIPE021.html

福岡市で28日まで開かれた市民団体主催の「平和のための戦争展」を名義後援した市は29日、29日付で後援の承諾を取り消したと発表した。職員が会場を訪れ、展示に「特定の主義・主張に立脚した内容があったと確認した」と説明。申請に「虚偽があった」として今後3年間は後援しないことも決めた。
市によると、23日に始まった戦争展に職員が3回訪問。「原発いらない」「戦争法廃止」「TPP批准阻止」といったパネル展示に加え、「憲法の改悪に反対し9条を守ること」を掲げて署名活動をしていたことを確認したという。
市は、こうした内容が後援を決める基準の一つ「特定の政治的立場に立脚していないこと」に抵触すると判断した。申請時に団体側は、この基準に触れる内容はないと説明していた。福田大二郎行政部長は「申請内容に虚偽があり残念。後援取り消しは過去にあまり例がない」と話した。
市は昨夏は、開催前に同様の理由で後援を見送った。市民団体の石村善治運営委員長は「詳しい理由は今後、市に聞かないと分からないが、展示は『戦争反対』の趣旨に関連したもので、市と解釈の違いがあるのではないか」と話した。(小川直樹)

福岡市、百田氏の講演会には名義後援 戦争展は拒否 - 朝日新聞(2015年9月11日)

http://www.asahi.com/articles/ASH9C4SB3H9CTIPE019.html
http://megalodon.jp/2016-0830-1039-08/www.asahi.com/articles/ASH9C4SB3H9CTIPE019.html

作家の百田尚樹氏が昨年5月に福岡市内で開いた講演会に、同市と市教委が名義後援していたことが11日わかった。市は、今夏にあった戦争展で、主催した市民団体の関係者が特定の主義主張に偏っているとして名義後援を断っている。
11日の市議会一般質問で中山郁美議員(共産)が百田氏の講演会を市が名義後援したと指摘。その上で戦争展のときと判断が分かれた理由を質問した。
市によると、講演会のテーマは百田氏の人気小説にちなみ「『永遠の0』から日本人の心を問う」。昨年2月に依頼を受け、要綱に照らして検討し、「市民文化の振興に資する」と判断したという。この講演会には市教委も名義後援しており、担当者は「作品についての講演を行うという内容だったため問題ない」と話す。
後援の申請があった直前、百田氏は東京都知事選の候補者の応援演説で「東京裁判は大虐殺をごまかすための裁判だった」などと述べて反響を呼んだ。
市は今年2月に後援申請を受けた「平和のための戦争展」では「展示される漫画が反原発に偏っている」「記念講演する大学教授が反原発の立場」などの理由で名義後援をしなかった。中山議員は「極めて不平等な扱いだ」と批判した。
戦争展での判断は市総務企画局が担い、百田氏の講演会についての判断は同市経済観光文化局が担ったという。同局は取材に「ことさらに(百田氏の)過去の発言などを調べることはなかった」とし、「講演会をあくまで文化事業として適切かどうかをみた結果だ」と説明している。

片山さつき氏の絶望的な勘違い - 八木啓代のひとりごと(2016年8月28日)

http://blogos.com/article/188459/
http://nobuyoyagi.blog16.fc2.com/blog-entry-751.html

NHKの番組に登場した女子高生がバッシングされ、しかも、国会議員の片山さつき氏までが、問題視するコメントをしたという件が話題になっている。
ネトウヨと呼ばれる人たちの「弱者バッシング」については、いまさら感があるし、それに乗る片山氏も片山氏と言ってしまえばそれまでだが、ただ、片山氏が「女子大生が『貧困ではない』と感じてしまった」ことには、「貧困の質の変化」に気づけていない感性の鈍さが、その根底にあるように思う。
片山さつき氏は、1959年、昭和34年の生まれだ。
そして、彼女が「ものごころつく年代」である昭和40年代あたりまでの「貧困」には、とにかく「わかりやすさ」があった。
.....

まだ豊かではない時代に育ち、日本の発展の中で、バブルという豊かさを極めた片山さつき氏の世代にとっての「貧困」や「安定」の感覚と、現在のそれとは大きな溝がある。
企業の寿命も、かつては50年と言われたが、今では25年以下になっている、そんな時代だ。IT化という第三の産業革命の影響で、今後、多くの職種が消えていくであろうと予言され、さらに、日本という国の斜陽化に加えて、少子高齢化による年金や福祉も削減されるかもしれない可能性の中で、若者に「安定した未来」が描きにくくなっているのが、今の日本の最大の問題だ。
問題は、それがバブル世代の「ふつうのおばさん」の発言であれば、「今の時代がわかっていない、勘違い発言」であっても、片山さつき氏は政治家であるということだ。
現状を認識できていない政治家、ほど恐ろしいものがあるだろうか。

関連サイト)
NHK「貧困女子高生」報道へのバッシングは、問題の恐るべき本質を覆い隠した 日本の子どもの6人に1人が「貧困」だ。- BuzzFeed News(2016年8月28日)
http://d.hatena.ne.jp/kodomo-hou21/20160829#p12

貧困たたき 新宿で緊急抗議デモ 作家の雨宮処凛さんらも - 毎日新聞(2016年8月27日)
http://d.hatena.ne.jp/kodomo-hou21/20160829#p11

福島第一 屋根なし1号機に台風の不安 汚染水の監視強める - 東京新聞(2016年8月30日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201608/CK2016083002000121.html
http://megalodon.jp/2016-0830-0951-51/www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201608/CK2016083002000121.html


強い台風10号が関東や東北に接近し、東京電力福島第一原発は三十日にも大雨や強風、猛烈なしけに見舞われそうだ。現場は台風に備えて対策を講じたが、懸念も残る。
二十九日、小雨が降り、風が強まる中、作業員たちは台風対策に追われた。建屋周辺には、何台もの大型クレーンがあり、上空に長いアームが伸びていたが、地上に下ろし、先端のフックを地面などの頑丈なものに固定した。各所でケーブルやホースを固定したり、強風で飛びそうなものは片付けたり、シートで覆ったりした。
大雨による汚染水の流出も懸念される。護岸近くの井戸には、汚れた地下水があり、水面が地下数十センチまで迫っていたため、ポンプのくみ上げ量を増やした。
山側のタンク群も汚染水リスクのある場所で周辺には多重の堰(せき)を設け、タンクや堰に雨がかからないよう屋根の設置も進んだ。対策が途中のエリアでは監視を強めるとともに、堰内の水があふれそうになれば移送できるよう準備を進めた。
現場の努力にもかかわらず、懸念は残る。
1号機原子炉建屋は、使用済み核燃料の取り出しに向け建屋カバーの解体中。カバーは完成した状態なら「平均風速二五メートルに耐えられる」(東電担当者)というが、現在は屋根がないため、強度低下は避けられない。この状態の強度は「評価したことがなく、分からない」(同)という。
福島第一には、高さ約百二十メートルの巨大な排気筒が三基あるが、1、2号機の間にある排気筒は支柱の一部に破断や変形が見つかっている。担当者は「強風より地震の影響が大きく、台風は問題ない」と強調するが、実際のところは分からない。
作業員の一人は「明日はほとんどの作業が中止。元請け会社の何人かが福島第一に控え、何かあったら、近くで待機中の重機オペレーターなどが出る」と話していた。 (片山夏子)

今、憲法を考える(2) 過去幾多の試練に堪へ - 東京新聞(2016年8月30日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2016083002000127.html
http://megalodon.jp/2016-0830-0828-06/www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2016083002000127.html

詩人の谷川俊太郎さんが世界人権宣言を訳している。一九四八年、国連で満場一致で採択された宣言である。第一条は−「わたしたちはみな、生まれながらにして自由です。ひとりひとりがかけがえのない人間であり、その値打ちも同じです」。
第三〇条は「権利を奪う『権利』はない」。真理である。例えば基本的人権はどんなことがあっても奪われない。たとえ国民が選んだ国家権力であれ、その力を乱用する恐れがあるため、憲法という鎖で縛ってある。その目的は人権保障であり、個人の尊重である。日本国憲法九七条はこう記す。

基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であって、これらの権利は、過去幾多の試練に堪へ、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託された>

信託とは信頼して管理や処分を任せることである。憲法学者石川健治東大教授によれば、信託者、受託者、受益者の三者からなる。この九七条では過去の国民が現在・将来の国民に信託している。受託者は受益者のために厳粛な責任を負うという意味である。受益者は将来の国民でもある。
そうして過去・現在・未来をつないでいるわけだ。そもそも戦争の犠牲の上にある憲法だ。
「戦争犠牲者から常に問い掛けられている部分で、この憲法の深みにつながっています。見えない原動力です」と石川氏は語る。
国民への信託は憲法一二条とも響き合う。自由と権利のために国民に「不断の努力」を求める条文である。憲法は権力を縛る鎖であるから、憲法を尊重し、擁護する義務に国民は含まれない。だが、信託によって、国民は道徳的に、そして道義的に「不断の努力」が求められる。
人間とはある政治勢力の熱狂に浮かれたり、しらけた状態で世の中に流されがちだ。移ろいやすさゆえに、過去の人々が憲法でわれわれの内なる愚かさをも拘束しているのである。
「信託」の言葉は、憲法前文にも「国政は、国民の厳粛な信託による」と記されている。この受託者は代表者であり、やはり道徳的な重い責任を負う。未来の国民のために信託を受け努力する。それが憲法に流れる精神である。
自民党憲法改正草案は、その重要な九七条を全文削除する。権利を奪う「権利」はない−、それが過去から受け継ぐ真理だ。

核兵器無き世界の実現を 長崎の末永さん、独で原爆体験語る - 東京新聞(2016年8月30日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/list/201608/CK2016083002000115.html
http://megalodon.jp/2016-0830-0936-39/www.tokyo-np.co.jp/article/world/list/201608/CK2016083002000115.html

ハノーバー(ドイツ北部)=垣見洋樹】一九四五年に長崎原爆を体験した長崎市在住の元教員末永浩さん(80)が二十九日、ハノーバー近郊の学校「カール・フリードリヒ・ガウス・シューレ」で、十六〜十八歳の生徒約三百人に自身の体験を語った。
末永さんは九歳の時、爆心地から三十キロ離れた疎開先で原爆を体験。終戦後、母と二人の妹が住む長崎市に戻り、放射線を浴びた。
当時、爆心地から二・三キロの畑でキュウリを収穫していた母の話として、青い光が周囲を照らした後、猛烈な風が吹き、一瞬で畑から何もなくなったこと、やけどで全身の皮がむけた人たちが助けを求めて歩いてきた様子を伝えた。
後に母と妹をがんで亡くした末永さんは「若い人が核兵器のない世界を築いてほしい」と訴えた。
講演を聴いたコンスタンティン・ザベルさん(18)は「歴史の教科書では原爆のことを詳しく学ばない。体験した人の話は衝撃だった」と語った。
講演は、末永さんが会員になっている長崎市の「岡まさはる記念長崎平和資料館」関係者によるドイツの歴史教育の視察の一環で実現した。

私が見た「砂川闘争」 郡司さんが体験語る 来月4日に立川でシンポ:東京 - 東京新聞(2016年8月30日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokyo/list/201608/CK2016083002000144.html
http://megalodon.jp/2016-0830-0937-39/www.tokyo-np.co.jp/article/tokyo/list/201608/CK2016083002000144.html

旧米軍立川基地の滑走路拡張計画に反対した砂川闘争を、生活者の視点で振り返るシンポジウム「砂川闘争と私」が九月四日午後二時半から、立川市砂川町の市砂川学習館で開かれる。
闘争を語り継ぐ市民団体「砂川を記録する会」の主催。これまで機会がなく、聴衆の前では体験などを語ってこなかった郡司典子さん(70)=国立市=が初めてパネリストとして参加する。
郡司さんは旧砂川町で生まれ育った。自宅は旧町役場の隣にあり、闘争が始まった一九五五年は小学四年生。自宅周辺で日常的に繰り広げられた光景を「血だらけの学生が警官に蹴飛ばされながらもみ合っていた」と振り返る。
父の志茂威(たけし)さんがリーダー的な役割を担っていたこともあり、「闘争は身近な存在だった」と郡司さん。記録する会代表の星紀市さん(72)=立川市=から「見たままの光景を話してほしい」と登壇を依頼され、「当時の記憶を誰かに伝えたいと思っていた」と聴衆の前に立つことを決めた。
星さんは「反対の声を上げた活動家や学生に焦点を当てて企画してきたが、闘争の現場で暮らしていた人に語ってもらうのは初めて。後世に伝えていく上で貴重な機会になる」と来場を呼び掛ける。
シンポジウムに先立ち、午後一時から、拡張予定地だった場所を歩く現地探訪会も開く。参加無料。 (加藤健太)

<砂川闘争> 1955年、東京都砂川町(現立川市)で米軍立川基地の滑走路拡張計画が表面化し、住民らが土地の強制収用に抵抗して反対同盟を結成。56年には測量を巡って警官隊と住民側が衝突し、1000人超の負傷者が出た。米軍の拡張中止決定を受け、69年に15年間に及んだ闘争は終了。基地は77年に全面返還された。

テロ準備罪 本当に必要性はあるか - 毎日新聞(2016年8月30日)

http://mainichi.jp/articles/20160830/ddm/005/070/071000c
http://megalodon.jp/2016-0830-0938-42/mainichi.jp/articles/20160830/ddm/005/070/071000c

「テロ等組織犯罪準備罪」の新設を政府が検討している。国会で3度廃案になった「共謀罪」の内容を、成立要件を絞って盛り込むものだ。9月召集の臨時国会で、組織犯罪処罰法改正案を提出予定という。
共謀罪は、具体的な犯罪について2人以上が話し合って合意するだけで成立する犯罪だ。小泉政権時代の2003年から3年連続で関連法案が提出されたが、「一般市民が漠然と犯罪の実行を相談しただけで処罰されるのでは」との懸念が強く、いずれも廃案に追い込まれた。
20年の東京五輪パラリンピックを前に、政府はテロ対策の一環と位置づけるが、立法の必要性について国会での徹底的な議論が必要だ。
テロをめぐる国際状況は、確かに小泉政権時代と一変した。過激派組織「イスラム国」によるテロが世界で頻発している。7月のバングラデシュでの人質テロ事件では日本人7人が犠牲になった。国内でのこうしたテロ防止は政府の最重要課題だ。
政府は昨年末に「国際テロ情報収集ユニット」を発足させ、テロ対策に取り組んでいる。共謀罪が、テロの芽をいち早く摘む重要手段になると考えたのだろう。とはいえ、10年以上再提出の動きがなかった法案である。リオデジャネイロ五輪の盛り上がりに便乗し、にわかに持ちだしてきたような唐突感は否めない。
00年に国連総会は、国際組織犯罪防止条約を採択した。条約は、国境を越える組織犯罪へ対処するため、重大な犯罪について共謀罪などを設けることを各国に求めた。ただし、共謀罪がその国の法体系になじまない場合があることが条約の起草段階で検討され、「各国が国内法の基本原則に従って(条約を)実施する」と明文化された。
日本も条約に署名し、03年に国会が承認した。しかし政府は、条約締結には共謀罪の新設が必要だとの立場で、いまだ締結に至っていない。
一方、日本の刑法では、一定の重大犯罪について、予備罪や準備罪などで、未遂より前の段階で処罰ができる規定が既にある。法律家の中には、テロに絡む犯罪でも既存の法の枠内で摘発ができ、条約締結は可能だとの意見がある。共謀罪の必要性は、改めて議論する際の重要な論点だ。
政府は今回、適用対象を絞り込む方針だ。また、合議に加え、犯罪の準備行為が行われることも要件に加えるとみられる。
だが、定義の仕方によっては、幅広い解釈が可能になる。廃案になった法案と同様、対象罪種は600を超えるとみられる。既遂の処罰を原則とする刑法の原則は大きく変わる。テロをめぐる環境変化を踏まえても副作用は大きい。

豊洲新市場、移転延期でも解決できない根本的欠陥|Close Up - ダイヤモンド・オンライン(2016年8月29日)

http://diamond.jp/articles/-/100137

東京・築地市場豊洲への移転をめぐり、小池百合子東京都知事に注目が集まっている。巨費を投じて完成した豊洲市場の建物は、市場関係者のニーズを無視した設計により、まともに機能しない恐れがあるからだ。工事をやり直すわけにもいかず、延期だけでは解決しそうもない。 (「週刊ダイヤモンド」編集部 岡田 悟)
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なぜ、こうも拙劣な計画が具現化したのか。それは都が、市場関係者のニーズをくまずに豊洲移転を計画し、細部の詰めは設計を請け負った日建設計に丸投げしたからだ。その証拠に、設計会社の選定方法は、発注者が請負側の提案を審査するだけのプロポーザル方式だった。新国立競技場の当初計画の破綻と同様、ここでも無責任体制による失敗の連鎖が明るみに出ようとしている。