福岡市、戦争展の後援取り消す 「展示に政治的主張」 - 朝日新聞(2016年8月29日)

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福岡市で28日まで開かれた市民団体主催の「平和のための戦争展」を名義後援した市は29日、29日付で後援の承諾を取り消したと発表した。職員が会場を訪れ、展示に「特定の主義・主張に立脚した内容があったと確認した」と説明。申請に「虚偽があった」として今後3年間は後援しないことも決めた。
市によると、23日に始まった戦争展に職員が3回訪問。「原発いらない」「戦争法廃止」「TPP批准阻止」といったパネル展示に加え、「憲法の改悪に反対し9条を守ること」を掲げて署名活動をしていたことを確認したという。
市は、こうした内容が後援を決める基準の一つ「特定の政治的立場に立脚していないこと」に抵触すると判断した。申請時に団体側は、この基準に触れる内容はないと説明していた。福田大二郎行政部長は「申請内容に虚偽があり残念。後援取り消しは過去にあまり例がない」と話した。
市は昨夏は、開催前に同様の理由で後援を見送った。市民団体の石村善治運営委員長は「詳しい理由は今後、市に聞かないと分からないが、展示は『戦争反対』の趣旨に関連したもので、市と解釈の違いがあるのではないか」と話した。(小川直樹)

福岡市、百田氏の講演会には名義後援 戦争展は拒否 - 朝日新聞(2015年9月11日)

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作家の百田尚樹氏が昨年5月に福岡市内で開いた講演会に、同市と市教委が名義後援していたことが11日わかった。市は、今夏にあった戦争展で、主催した市民団体の関係者が特定の主義主張に偏っているとして名義後援を断っている。
11日の市議会一般質問で中山郁美議員(共産)が百田氏の講演会を市が名義後援したと指摘。その上で戦争展のときと判断が分かれた理由を質問した。
市によると、講演会のテーマは百田氏の人気小説にちなみ「『永遠の0』から日本人の心を問う」。昨年2月に依頼を受け、要綱に照らして検討し、「市民文化の振興に資する」と判断したという。この講演会には市教委も名義後援しており、担当者は「作品についての講演を行うという内容だったため問題ない」と話す。
後援の申請があった直前、百田氏は東京都知事選の候補者の応援演説で「東京裁判は大虐殺をごまかすための裁判だった」などと述べて反響を呼んだ。
市は今年2月に後援申請を受けた「平和のための戦争展」では「展示される漫画が反原発に偏っている」「記念講演する大学教授が反原発の立場」などの理由で名義後援をしなかった。中山議員は「極めて不平等な扱いだ」と批判した。
戦争展での判断は市総務企画局が担い、百田氏の講演会についての判断は同市経済観光文化局が担ったという。同局は取材に「ことさらに(百田氏の)過去の発言などを調べることはなかった」とし、「講演会をあくまで文化事業として適切かどうかをみた結果だ」と説明している。