片山さつき氏の絶望的な勘違い - 八木啓代のひとりごと(2016年8月28日)

http://blogos.com/article/188459/
http://nobuyoyagi.blog16.fc2.com/blog-entry-751.html

NHKの番組に登場した女子高生がバッシングされ、しかも、国会議員の片山さつき氏までが、問題視するコメントをしたという件が話題になっている。
ネトウヨと呼ばれる人たちの「弱者バッシング」については、いまさら感があるし、それに乗る片山氏も片山氏と言ってしまえばそれまでだが、ただ、片山氏が「女子大生が『貧困ではない』と感じてしまった」ことには、「貧困の質の変化」に気づけていない感性の鈍さが、その根底にあるように思う。
片山さつき氏は、1959年、昭和34年の生まれだ。
そして、彼女が「ものごころつく年代」である昭和40年代あたりまでの「貧困」には、とにかく「わかりやすさ」があった。
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まだ豊かではない時代に育ち、日本の発展の中で、バブルという豊かさを極めた片山さつき氏の世代にとっての「貧困」や「安定」の感覚と、現在のそれとは大きな溝がある。
企業の寿命も、かつては50年と言われたが、今では25年以下になっている、そんな時代だ。IT化という第三の産業革命の影響で、今後、多くの職種が消えていくであろうと予言され、さらに、日本という国の斜陽化に加えて、少子高齢化による年金や福祉も削減されるかもしれない可能性の中で、若者に「安定した未来」が描きにくくなっているのが、今の日本の最大の問題だ。
問題は、それがバブル世代の「ふつうのおばさん」の発言であれば、「今の時代がわかっていない、勘違い発言」であっても、片山さつき氏は政治家であるということだ。
現状を認識できていない政治家、ほど恐ろしいものがあるだろうか。

関連サイト)
NHK「貧困女子高生」報道へのバッシングは、問題の恐るべき本質を覆い隠した 日本の子どもの6人に1人が「貧困」だ。- BuzzFeed News(2016年8月28日)
http://d.hatena.ne.jp/kodomo-hou21/20160829#p12

貧困たたき 新宿で緊急抗議デモ 作家の雨宮処凛さんらも - 毎日新聞(2016年8月27日)
http://d.hatena.ne.jp/kodomo-hou21/20160829#p11