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子どもの頃、12月8日の晩ご飯は「おじや」と決まっていた。沖縄風に言うと「ボロボロジューシー」か。野菜入りだが肉はなし。不満を口にすると、「戦時中はこれほど具が無かったはずよ」と母は言った
▼太平洋戦争の起点となった日を忘れるなという教えだった。たった一食だが、育ち盛りには物足りず「こんな食事で戦争に勝つつもりだったのか」と違和感ばかりが残った▼83年前のハワイ真珠湾への奇襲は、暗号を解読していた米国に筒抜けだった。日本は中国との戦争で疲弊し、勝てないと分かりながらも米英との戦争に踏み切った。それが沖縄戦や原爆投下につながっていく
▼「二度と戦争を起こさない」。県内の若手俳優たちが糸満市の県立平和祈念資料館で平和劇のロングラン公演に取り組んできた。沖縄戦体験者の証言を基にした劇だ。ガマに避難した人々の緊迫したやりとりは戦争の愚かさをダイレクトに伝える
▼今の時代の空気に「戦争を身近に感じる」と主催する実行委メンバーは話す。同じ過ちを繰り返さないために、過去から学ぶ劇も残すところあと4公演。過去から学ぶ機会にしたい。